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「オーガスタ女子アマ」が今週開幕! 出場する2人に“オーガスタのイメージ”などを聞いてみた

今週3月30日から4月2日にかけ、米国・ジョージア州で「オーガスタナショナル女子アマチュア」が行われる。これは2019年に始まり、今年が3度目(20年は新型コロナウイルスの影響で中止)となる女子アマチュア選手の国際大会。海外男子メジャー「マスターズ」前週に行われ、同大会の会場として知られる“聖地”オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブが決勝ラウンドの舞台になる。そこに今年は過去最多となる4人の日本人選手が出場を予定する。そのうちの2人、六車日那乃と吉田鈴に大舞台での意気込みや、さまざまな“イメージ”などを聞いてみた。

大会開幕まで2週間を切った3月中旬。千葉県市川市にある練習場・中山ゴルフセンターで緊張と期待が入り混じった2人の表情を見ることができた。今月高校を卒業したばかりの吉田から見ると、六車は1学年先輩にあたる。ジュニア時代からお互いをよく知り、同じ大会での活躍を目指す現在も練習ラウンドなどをともにする。おっとりとした口調の六車と、ハキハキとした語り口の吉田。性格は違えど、とても仲睦まじい様子だ。

―開幕まで間もなくですが、今の心境は?

六車(以下、六):「招待状が届いてから本当にあっという間。ワクワクしてたり、不安も大きいんですけど、一番は楽しみな気持ちが大きいです

吉田(以下、吉):「楽しみです。不安だと思わないようにして、自分に期待して頑張りたいなと思います」

―練習中にオーガスタ女子アマについて話すことなども?

吉:「(渡米の際の)飛行機も一緒なので、予定に関してはすごい話し合っています。日那乃ちゃんはナショナルチーム(日本ゴルフ協会が選出するアマチュア日本代表)でも活躍していたし、海外の試合のことをよく知っているので、一緒に行けてよかったです」

―アドバイスなどももらっている?

吉:「すごく言われたのは、飛行機に乗る時、顔がベタベタになるから洗顔シートは持っていったほうがいいって(笑)」

六:「オーストラリアへ行った時、顔を拭きたいのに拭けなくて…。それは絶対にやったほうがいいと思って伝えました。顔がヌルヌルしちゃって(笑)」

―決勝に進んだらプレーできるオーガスタ・ナショナルGCのイメージを一言で言うと?

六:「緑、ですね」

吉:「あっ、同じ!」

―オーガスタで印象的なホールはどこ?

六:「私は16番のパー3。トミー・フリートウッドが好きなんですけど、そこで(21年大会で)ホールインワンをしたのが印象的です。そこに行ってみたいです」

吉:「私は池がある15番パー5ですね。テレビで映る回数も多いですし、すごく印象に残りますね」

―そこで昨年は松山英樹プロが優勝。それを知った時、どう思った?

六:「映像をみて感動しました。中嶋プロ(解説をした中嶋常幸)も泣いていたので」

吉:「解説の人とかも泣いてたし、日本全体がゴルフに注目してるなーって思いました」

―その直前には梶谷翼選手が、オーガスタ女子アマで優勝

六:「すごいなーって思いました。翼ちゃんが優勝したので、自分たちにも可能性はあると思えます」

吉:「すごいなー、強いなーって感じでした。同級生なので負けたくないという気持ちもあるけど、強いんだなーという気持ちはありました」

―出場が決まって周囲の反応は?

六:「喜んでくれています。特にお父さんは、招待状を私が開けたかったのに、先に開けちゃってました(笑)。(コーチの辻村明志氏は)すごくビックリしてました。『一緒に行きたいな』と言ってたんですけど、(日程的に)無理みたいで」

吉:「本当に喜んでくれていますね。家族はもちろんなんですけど、学校でもお祝いしてくれました。(クラブのサポートを受ける)キャロウェイの方々も、すごく準備してくれました。その期待に応えて恩返ししたいです。(姉の吉田優利には)何も言われてないです。ドライな感じなので(笑)。誕生日はお祝いしてくれたんですけど、オーガスタのことは一言もなかったです(笑)」

―六車選手は辻村コーチ、吉田選手は今野康晴コーチに指導を受けていますが、どんなアドバイスを受けている?

六:「技術面のことはあまり言われないんですけど、結果を気にせずに、これまでやってきたことを思う存分出せるようにと。最高の準備をして臨もう、という話はしてくれました」

吉:「私は技術のことをすごく言われます。(グリーンで)止まる球を打たないといけない。(ツアー7勝の今野は)日本のトッププロですし、実際にその打ち方を見て、クラブの入り方なんかを学んでいます。手前のピンを想定して、その時にどうやって球を止めるか、とか」

―たくさんの海外選手と戦うことになる

六:「いろんなゴルフがあると思いますが、絶対に自分を見失わないことが大事。私は飛ばすタイプでもないですし、自分のプレーをよくするために今も練習しています」

吉:「私は身長が小さいほう(153cm)なので、できることは限られてくる。でもプロになって、いずれアメリカツアーで戦いたいと思っているので、海外の選手がどんなスイングをして、どんな球を打って、どんなことを考えているかも見てきたいです。この試合でゴルフの価値観が変わってくるかなと思っています」

―最後に目標は?

六:「上位で争えたらいいんですけど、私が一番大事にしているのは、継続して準備してきたことをしっかりと大きな舞台でも出すことです。そこで力を発揮できれば自信にもなりますし、そこが目標です」

吉:「まずは予選を通ることなんですけど、出るからにはトップを狙わないといけないと思う。大きな目標は優勝です」

すでに26日には渡米し、本番まで現地で調整を重ねている。今年のプロテスト合格も目指す2人は、そこでどんな経験を積むことになるのか? 活躍を期待したい。

■六車日那乃(むぐるま・ひなの)

2002年4月23日、埼玉県出身、19歳。8歳でゴルフを始める。千葉・麗澤高在学時に、JGAが選出するナショナルチーム(日本代表)メンバーになるなどトップアマとして活躍。2019年「国民体育大会・個人の部」優勝などの実績を残す。プロトーナメントでも20年「NEC軽井沢72ゴルフ」でローアマチュア(34位タイ)などに輝いた。高校卒業後の昨年6月、11月のプロテストを受験するも合格はできず、今年3度目の挑戦で突破を目指す。日本ウェルネススポーツ大在学中。得意クラブはパター。ドライバー平均飛距離は230ヤード。154センチ。

■吉田鈴(よしだ・りん)

2004年2月21日、千葉県出身、18歳。6歳でゴルフを始める。千葉黎明高3年時に出場した、2021年の「日本女子アマチュア選手権」で4位などの実績を残した。初受験となった同年11月のプロテストは、最終まで進んだものの合格には手が届かず。アマチュア選手として今年2度目の受験で合格を目指す。得意クラブはドライバーで、平均飛距離は230ヤード。女子プロゴルファーでツアー2勝の吉田優利を姉に持つ。153センチ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>