<Qシリーズ(後半) 初日◇9日◇ハイランドオークス(米アラバマ州)◇6677/6356ヤード・パー72)>
バーディがもっとも獲りやすいとされるパー5で取りこぼさないように。渋野日向子が掲げるテーマの一つだが、この日は4つのパー5でバーディは『ゼロ』。ところが、だ。6番のパー3でグリーンを外し寄せきれずにボギーとした以外は、パー4とパー3で合計6コのバーディを奪った。
朝8時14分スタート予定が、ピリリと寒い空気とともに濃い霧がコース内に立ちこめたため15分ずつスタートが遅れ、しまいには2時間45分もズレ込んだ。朝のウォームアップ、そして打撃練習をはじめていた渋野も、「車にいて暖まったり、散歩したり、ゴルフボールでサッカーをしたり(笑)」と体を温めながら、気長にスタートを待った。
そうして2020年欧州女子ツアーの賞金女王エミリー・クリスティン・ペダーセン、オーストラリアのママさんゴルフアー、サラ・ジェーン・スミスとのラウンドがスタート。2番でいきなりバーディ。パー4の2打目はかなりの左足下がり。ここでウェッジを握ると、右手前のピンに対して1.5メートルにつけバーディ。3番のパー4でも1.5メートルにつけるが、これは外した。そして6番でボギーを叩くと、7番パー5でも取り損なったが、8番ではこれまたウェッジの距離で1.3メートルにつけ、これを沈めた。
ところが9番のパー5でもバーディを逃し後半へ。ここからは、そのうっぷんを晴らすように、バーディを重ねたが…。10番で6メートルを沈めると、11番パー5はまたしても悔しいパー。スコアは伸びるも、100%納得の出来ではない。それでも難関14番で「長いのが入ってくれてよかった」と8メートルを決めた。そして迎えた15番パー5。ティショット、2打目とも絶好の位置をキープ。3打目でピンを狙ったが、ピン手前に落ちたボールはスピンでさらに手前へ戻った。
「パー5の3打目は獲りたい気持ちが強すぎてかチャンスにつけられなかったので、獲れなかったのは悔しいけど、切り替えて次のホールに向かえたのがよかった」
この3打目直後には悔しさを静かにかみ殺した。パターを持ってグリーンに向かう表情は怒りに満ちた。7メートルほど残ったバーディトライは外れ、表情はより引き締まる。自身が振り返るとおり、ここまではパー5の取りこぼし後にはしっかりとチャンスにつけ、2度はこれを沈めた。不満を押し殺すように向かった16番でもチャンスにつけたが、これは惜しくも外れる。
そして向かえた17番パー3。ティショットがピン奥5メートルにつき、この下りのパットを決めると、圧巻は最終18番パー4。グリーン中央に大きな段があり傾斜の強さではコース内でも指折りのグリーンで、右手前の段に切られたカップに対し、渋野が会心の一打を見せる。
「アゲンストもあってプラス5ヤードで打ったら飛んじゃって、あんなに打つつもりはなかったけど、ゆっくり帰ってきてよかったですね」。120ヤードの2打目。8番アイアンで放たれたボールはピン左奥に着弾し、トロトロと傾斜を使ってピンに寄っていき30センチについた。これを“お先”に沈め上がり2連続バーディ締め。「明日につながる」と、このフィニッシュには満足感がにじんだ。
「上にちょっと近づけたと思えばええかな、と。徐々に抜かして行きたいと思います」と結果的に順位を上げる「67」というスコアで一気に浮上。日没のため順延となり5組がプレーを終了していない中で、暫定11位につけた。
後半戦2日目、そして3日目は天候が荒れることが予想される中、「(伸ばすには)今日しかないと思っていた。それで5つ伸びたからよかった」と、まずはつまずくことなく終えた1日に安堵する。
8日間を終えて20位以内に入れば、来季は多くの試合に出場することができる。課題のパー5でバーディを奪うことができれば、“安全圏”をキープしながら、さらに上も見えてくる。(文・高桑均)
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