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「来週につながる」 最終パー5で見せた成長の証 渋野日向子、狙い通りのバーディ締め

<Qシリーズ(前半) 4日目◇5日◇マグノリアグローブ(米アラバマ州)◇クロッシングズC(6664ヤード・パー72)、フォールズC(6643ヤード・パー71)>

渋野日向子が米ツアーへのスタート地点と位置づけている来季出場権をかけた予選会の「Qシリーズ」前半戦が終わった。4日間72ホールを終えて、トータル6アンダーの24位タイ。9日から始まる後半戦へとコマを進めた。

最初の2日間でトータル2オーバー。前半戦の上位70位タイまでが次週に進むが、初日は81位タイ、2日目は72位タイ。「初日からずっこけたので、考えてもいなかったプレッシャーがあった」と振り返る。それでも3日目はベストスコアタイとなる「66」をマークし一気に挽回すると、4日目もダブルボギーがありながら2アンダーにまとめ、週末2日間を8アンダーにまとめた。

予選会を上位20位内で突破すれば、来季はかなりの試合に出場できる見込みだ。出場人数との兼ね合いもあるが、1月の第2戦から出られる可能性が高い。さらに、今回の順位が上であればあるほど、その後の試合数も増えるため、少しでも上位で終えたいところ。ひとまず24位タイで折り返し、「何とかそこまで持ってこられたのはよかった。まだまだチャンスはあるので頑張りたい」と窮地からのカムバックに胸をなで下ろした。

とはいえ、まだまだ修正点は多い。今回は4日間で3ダブルボギー。特にこの日はパー5で2オンを狙ってグリーン手前の池に落とし、ドロップして放った4打目もピンに寄らずに3パット。「狙っていく必要はなかった。Qスクールでやることではない(笑)」と、マネジメントでのミスを悔やんだ。

そんなミスもありながら、運も味方した。16番パー4ではティショットを右のレッドペナルティーエリアに打ち込みながらも打てる状況。ところが2打目が、今度は左へ。「ラッキー、ラッキー、ラッキー」とショットを曲げながらも、なんとかボギーで踏みとどまった。

迎えた最終パー5では、約80ヤードの3打目をピン右1.5メートルにつけバーディ締め。実はこの距離はダブルボギーを叩いた5番の4打目とほぼ同じ距離。そこではピンにつけられずスピンバックで15メートルを残し3パットとしたが、この借りはきっちりと最後に返した。

春先から渋野が掲げていたのが100ヤード以内の強化。パー5の3打目をしっかり寄せてバーディというのが理想のマネジメント。5番は結果として4打目になったが、そこで一度は失敗。それでも最後の最後で修正し、悪いイメージを払拭した。

この日回ったフォールズCは初日に2オーバーを叩いている。渋野自身も「苦手」とイメージが悪かったが、これでリベンジ成功。「来週につながるゴルフができた」と、この4日間で成長も実感できた。

長丁場の戦いもこれで3日おいて、後半4日間に入る。「3日あるので休養して、また練習ラウンドでコースを下見して、自分らしいゴルフができるように初日を迎えたい」。二桁アンダーが10人の状況だが、残された72ホールで、一つでも上の順位を。気を抜く間もなく、今年最後の戦いに向かっていく。(文・高桑均)

<ゴルフ情報ALBA.Net>