<京都レディース 最終日◇19日◇城陽カントリー倶楽部(京都府)◇6355ヤード・パー72>
「カップの左側に切れるかと思ったら、入ってくれた。ちょっとビックリして、私もボールと同じ様にクルっと回っちゃいました」
18歳のホープがステップ最終戦で頂点に立った。今年6月の2020年度最終プロテストでトップ合格を果たした佐久間朱莉(しゅり)は、プレーオフで西山ゆかりを下したウィニングパットを振り返り、無邪気に笑った。
前日から“予兆”はあった。終わってみれば佐久間と西山、たった二人だけが通算アンダーパー。誰もが苦しんだ難関・城陽CCを相手に、佐久間は2日目に「69」をマークし、一気に首位と1打差まで詰め寄っていた。
最終日は1つ伸ばすにとどめ、「67」とすさまじいチャージを見せたレギュラーツアー通算2勝のベテラン・西山とのプレーオフにもつれ込んだが、佐久間はあわてなかった。「しょうがない。よし! プレーオフ」とすぐに気持ちを切り替えて、最後は39歳の百戦錬磨をバーディで退けた。
原英莉花、西郷真央らを輩出したジャンボ軍団の一員。一発勝負のプロテストでさえ「楽しかった」と言ってのける、姉弟子たちにも劣らない強心臓がウリだが、プロデビュー戦となった「大東建託・いい部屋ネットレディス」では予選落ちを喫する。この時ばかりは落ち込んだというが、「何を焦ってんだ。まだ始まったばかりじゃねえか」というジャンボの激励で、すぐに持ち前の元気を取り戻した。
「その後は、同期がステップで次々と優勝し、焦る気持ちもありましたが、ジャンボさんの言葉を思い出し、自分の出来ることに集中しました。いい報告が出来ます。来年は、JLPGAツアーで、原英莉花さん、西郷真央さんと一緒に優勝争いをしたいです」
同期で優勝一番乗りとなった岩井千怜、その双子の姉である明愛、古江彩佳や西村優菜らと同じプラチナ世代の後藤未有、そして佐久間。すでにステップで4勝を挙げている93期生だが、果たしてレギュラーツアーでいち早く勝利をつかむのは誰か。来季、空高く羽ばたくであろう金の卵たちから目が離せない。
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