<JLPGA最終プロテスト 最終日◇25日◇静ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇6337ヤード・パー72>
今年のプロテストトップ合格の座を射止めたのは、今春高校を卒業したばかりの佐久間朱莉(しゅり)だった。日本ゴルフ協会(JGA)が選定するナショナルチーム(日本代表)メンバーでもある18歳が、初受験ながら2位に3打差をつける快走で、その実力の一端をみせつけた。
「プロテストトップ合格を目標にやってきたので、うれしいと安心したという両方の気持ちがあります」。胸に秘めていた思いを実現させ、ラウンド後には笑顔が弾けた。2日目に単独トップに立ち、その位置をキープし続けたのはもちろん、最後に5つ伸ばす肝っ玉はとても10代のものとは思えない。
その最終日は3つのバーディに加え、10番では残り215ヤードのセカンドを4番ユーティリティで打ち、7メートルに2オンさせてのイーグルも奪った。「ボギーもなかったし、完璧なゴルフでした。やっと終わりました」。“独特な雰囲気がある”とプロになった選手たちですら口をそろえるプロテストだが、佐久間が抱いていたのは「楽しかった」という感情だ。
ナショナルチームでの成長ももちろんだが、“師匠”の存在も大きい。佐久間は、中学3年から尾崎将司が主宰する「ジャンボアカデミー」で腕を磨いてきた。最初に指摘されたのは『飛距離』だったという。「とにかく振れって言われ続けました。短くて重いミニクラブを、ひたすら素振りでマン振りしました」。当時220ヤードほどだった飛距離が、155センチの体ながら、今ではプロとそん色ない240〜50ヤードまで伸びた。ここからは体力強化に励んでいくという。
今回のテスト前、師匠から『普段通りやれば大丈夫だ』という言葉をもらった。「強い言葉をいただいたので、それを頼りに頑張っています」と4日間の支えにした。もちろんこの後はジャンボ邸に足を運び、「無事トップ通過できました」という報告をするつもり。「『これからだぞ』って言われそうですね」と、それに対するリアクションを笑いながら想像した。
ジャンボ邸で練習をしていると、原英莉花、笹生優花、西郷真央ら、トッププロになった姉弟子たちの姿を見かけることももちろんある。「かっこいいし、憧れです。私も早くその立場になりたい」。ツアーを席巻するジャンボ軍団だけに、いいお手本は身近にそろっている。
終始“楽しかった”ラウンドだが、母親に合格を報告した時ばかりは、うれし涙が流れてきた。「よかったね、おめでとう、がんばったねって言ってもらいました。早く会いたいです」。その時が、ようやくホッとできる瞬間なのかもしれない。「人としても尊敬されて、世界で通用する選手になりたいです」。レジェンドのDNAを引き継ぐジャンボ姉妹の“四女”も、今後の女子ゴルフ界を盛り上げてくれそうだ。
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