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連続ダボからの逆転メジャー制覇! 笹生優花、粘りの21ホールを振り返る

<全米女子オープン 最終日◇6日◇ザ・オリンピッククラブ・レイクコース(米カリフォルニア州)◇6457ヤード・パー71>

首位と1打差から出た最終日は、苦しいスタートからの逆転優勝だった。首位と1打差から出た最終ラウンドはパーでスタートしたが、2番からまさかの連続ダブルボギー。2番パー4はティショットを大きく右に曲げて深いラフ、2打目もラフを抜けずに4オン2パット。3番パー3はティショットでバンカーに捕まり、パーパットは1.5メートルショート、ボギーパットもカップを1メートルオーバーして入らなかった。ここでトータル2アンダーに後退、前半はチャンスにつかない展開が続く。

4番で10メートル、5番で9メートル、6番も7メートルを2パットで入れてパー。ようやくバーディが来たのは7番パー4、手前4メートルからねじ込みトータル3アンダーに前進したが、トップのレクシー・トンプソン(米国)にはまだ追いつけない。トータル3アンダーでレクシーとは5打差で折り返し、伸ばしたいバックナインも中々流れをつかめなかった。

10番で4メートルにつけたが、バーディパットはショートして入らず。11番パー4では2打目でグリーンをオーバーし、奥のラフからの3打目は、笹生らしくなくピンを大きくオーバーしてボギーと後退。13、14、15番と惜しいバーディパットが続いてパーを重ね、トップとの差は縮まらないまま。レクシーと3打差で迎えた残り3ホールで、状況が大きく動いた。

16番パー5で3打目を1.5メートルにつけて拍手を浴びると、バーディを奪って勝機を引き寄せる。パー5が続く17番は、2打目でバンカーにつかまったがそこから1メートルに寄せて連続バーディ。ここでレクシーがボギーを叩き、1組前の畑岡奈紗、同組のレクシーと並んで首位タイに立った。18番をパーで終えると、レクシーがボギーで脱落。メジャー頂点をかけた戦いは、畑岡と笹生による異例の日本勢対決へともつれこんだ。

プレーオフは9番、18番のパー4での合計ストロークで勝敗を決定。その後は1ホールごとでの勝負となる。

9番、18番と畑岡がティショットをラフに入れる中、笹生は安定してフェアウェイをキープ。最初の2ホールをともにパーで終えると、サドンデスに突入した。再び9番に戻って行われたプレーオフ3ホール目。

前2ホールとは異なり、フェアウェイをヒットした畑岡に対して笹生が左のラフ。正規の9ホール目と同じく、笹生はここからピン手前に2オン。約2.5メートルに乗せて歓声が沸き起こる。フェアウェイから10メートル以上のバーディパットを残した畑岡は、ファーストパットで1メートルに寄せてマーク。これを決めれば、優勝が決まる笹生のバーディパット。ギャラリーが固唾をのんで見守る中で放ったバーディパットは見事にカップイン、右手で拳を握ると、大歓声の中全米女子オープン優勝を決めた。

一時は優勝争いから遠ざかったかに思えた最終日。「勝てるとは思っていなかった。家族に伝えたい」と涙に言葉をつまらせながら、手にしたタイトルの重さを噛みしめた。

<ゴルフ情報ALBA.Net>