<全米女子オープン 事前情報◇9日◇チャンピオンズGC(米国テキサス州)◇サイプレスクリークコース(6731ヤード・パー71)、ジャックラビットコース(6558ヤード・パー71)>
海外メジャー「全米女子オープン」が今週開幕。日本勢では、渋野日向子や畑岡奈紗を筆頭に18人が出場する。ルーキーながら国内女子ツアーでメキメキと頭角を現している古江彩佳と西村優菜は、海外メジャー初参戦。アマチュア時代はナショナルチームの一員として活躍してきた古江は今年3勝、西村は1勝と、プロ転向後も早々に実績を残している。ナショナルチームのヘッドコーチとして2人を見てきたガレス・ジョーンズ氏に、その強さと素顔について聞いてみた。
“超曲がらない” 古江彩佳のドライバースイングを連続写真で解析
■静かな闘志を秘める古江は「畑岡奈紗に少し似ている」
Q.古江選手の一番の強みは?
「実は最初、コーチとして会話を続けるのが難しい選手だった。口数が少なくて物静かだから、最初はたくさん話しかけても“うん、うん”とうなずくだけで、分かっているのか不安だったけど(笑)、きちんと私が言っていることを理解してくれていた。
静かな一方で、内に秘める決意が強い。安定したメンタリティの持ち主で、コース上の感情の起伏が少ない。精神状態をフラットな状態に保つ能力に長けていて、海外メジャーで世界のトップ選手とラウンドしても、おそらくいつもの自分と変わらない状態でプレーできると思う」
Q.技術面では?
「身体的なパワーもあるし、技術面で苦手な面がない選手。畑岡選手に少し似ているが、畑岡選手ほどストイックにトレーニングができる選手はこの地球上にはいないので(笑)、そういう意味では、古江選手にも伸びしろはあるかもしれない」
Q.古江選手に期待する部分は?
「自分の意見をどんどん口に出してほしいということ。とくに米国では、静かにしているとどんどん埋もれていってしまう競争社会。友達といるときは関西弁で楽しくおしゃべりしている姿も見ている(笑)。とくに英語で、自分の声を挙げることにチャレンジしてほしい」
■西村は身長をブレーンで補う頭脳型 「キャプテンのような存在」
Q.西村選手の一番の強みは?
「私が会ったことのあるアスリートの中でも、最も賢い選手の一人だと思う。ナショナルチームでも、彼女が女子のキャプテンのような存在だった。西村選手が行動で示して、他の選手がついて行く。チームメイトにとってメンターであり、ロールモデルのような存在だった。非常にインテリジェントで、身長は小さいけれど、身長の10〜15cmが脳みそじゃないかと思うほど、しっかり頭を使ってプレーしている。情報収集やコースメモへの書き込みを徹底していて、事前準備で得た情報を、15本目のクラブのように使っている」
Q.技術面では?
「パターも長けているし、体も強い。契約しているキャロウェイのドライバーで、自分のパワーが最大化されるように努力していて、セッティングもそのように調整していけば十分に活躍してくれると思う。長いコースだと厳しいかもしれないが、スコットランドなどのように跳ねるコースや、優勝スコアがイーブンパーくらいになるようなコースでは、十分に優勝する可能性はある」
Q.西村選手に期待する部分は?
「英語も話せるし、アマチュア時代からの経験から海外ツアーで活躍している友達も多い。世界ランキングも84位に上がっているし、トップ50に入ることができれば、海外メジャーへの出場も増えてくる。日本で複数回勝つことによって、海外への道を切り開いてほしい」
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