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祖母へ最高の誕生日プレゼント “孝行娘”小野祐夢が初優勝

<カストロールレディース 最終日◇19日◇富士市原ゴルフクラブ(千葉県)◇6452ヤード・パー72>

2020年のステップ・アップ・ツアー最終戦を制したのは、プロ4年目の23歳・小野祐夢だった。スタート時には4打の大差をつけていたが、最終的に2位との差は1打。土俵際で踏ん張り、うれしい初優勝をつかみ取った。

笑顔で優勝トロフィーを掲げる小野祐夢【大会フォト】

岐阜県の帝京大学可児高校在学時にはナショナルチーム(アマチュア日本代表)にも選ばれ、2016年にプロテスト一発合格と順調な道を歩んできた小野。しかし、プロ入り後は、同期が優勝する姿を何度も見届けるばかりで、その順番がなかなか自分には回ってこなかった。

「ここまで長かったですね。自分は勝てないのかなって思ったりもしました。ゴルフが楽しくない時期もありました」と、悩んだこともあっただけに、ついに挙げたこの1勝は格別だ。

この勝利を喜ぶ理由が、他にもあった。今大会にはコースから車で50分ほどの場所にある母の実家から通勤しているが、前日18日は祖母・征美(まさみ)さんの誕生日だった。“孝行娘”は、その翌日に見事初優勝を達成。毎日「頑張れー」と見送ってくれる“おばあちゃん”、そして“おじいちゃん”に、最高のプレゼントを届けることができた。

「余計なことを考えてしまいそうなので、リーダーボードはまったく見ませんでした」。ラウンド中は、最後の50センチのウイニングパットを決めるまで、順位を意識しないようにした。自分が勝ったことに気づいたのも「周りの人が拍手をしてくれた」からという徹底ぶりだ。

しかし、初優勝を挙げた今、こんな決意を胸に抱いている。「次はリーダーボードを見て優勝争いがしたい。今回は自分との戦いで精いっぱいでしたが、次は最後まで順位と戦いたいです」。この勝利で一回り強くなった23歳。次なる目標は、もちろん「レギュラーツアー優勝」だ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>