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活躍するほど嫌われる? シニアデビューを飾った藤田寛之の“ちょっぴりジレンマ”

<マルハンカップ 太平洋クラブシニア 初日◇29日◇太平洋クラブ 御殿場コース(静岡県)◇7020ヤード・パー72>

レギュラーツアー18勝の藤田寛之が、新たな舞台で華々しいデビューを飾った。今年の6月に51歳を迎え、本大会がシニアツアー初戦。「65」をマークして、7アンダーの単独首位発進を決めた。

マルハンカップで撮影!藤田寛之らスイング連続【連続写真】

ロケットスタートとは裏腹に、スタートは“いつもどおり”とはいかなかった。「よその家にお邪魔しているような感覚」と笑ったように、往年の先輩プロに囲まれ、いわば新米の存在。しかも、この日は藤田にとって、シニアデビューという以上に意味深いものがあった。

師と仰ぐ芹澤信雄とともに、再び参戦することが楽しみだった。「夢と言ったら大げさだけど、芹澤さんと一緒に練習して、試合に出て、レギュラーツアーの“あの頃を”と、ずっと思っていた」と振り返る。芹澤の地元での大会、しかも初日は師匠と同組という最高の舞台。大勢のファンからの歓声を背に、2人そろってスタートを切った。

9バーディ・1ダブルボギーの「65」。いきなり単独トップに立ち、師匠を始め先輩プロを「さすが」とうならせるような実力を発揮。ところが、一つ小さな悩みがある。「レギュラーにいたら早く行ってくれと言われるし、シニアに行ったら来るなと言われるし」。そんな両ツアーからの板挟みは、レギュラーツアーで23年連続の賞金シードをキープし、シード選手最年長として活躍する実力者ならではだ。「やっぱり、一番上に名前があるのは気持ちいいですね」と笑う藤田だが、先輩にとって憎たらしい存在になるのは間違いない。(文・谷口愛純)

<ゴルフ情報ALBA.Net>