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全英予選落ちの“元凶”は? 渋野日向子が抱え続けた不安 「何かを怖がっている」

<AIG女子オープン 2日目◇21日◇ロイヤル・トゥルーンGC(スコットランド)◇6649ヤード・パー71>

「怖がっているのか、アイアンを最後まで振り切れない。ここ何カ月か悩んでいます」

渋野日向子の2日目のプレーをハイライト動画でチェック!

ディフェンディング大会でトータル12オーバーの予選落ちを喫した渋野日向子が、ラウンド後の会見で胸中を明かした。前年女王というプレッシャーよりも、頭を埋めていたのは「自分のショットに対しての不安がすごく大きくて、この2日間はその心配ばかりでした」という現状だった。渋野は、その悩みの正体についてこう話した。

「ティショットが良くなってきたのに、なんでアイアン(の調子が上がることに)つながらないのか。個人的に『う〜ん』という部分はあった。しっかり体を止めずに回転させることができれば、まっすぐ飛ぶのに、手元や体が浮いて、しっかりねじれない。練習場ではいい動きができるのに、試合になると自分が思ってもない動きをしてしまう。(体が)コントロールできていない状態。縦距離も合っていない」

今季の国内女子開幕戦「アース・モンダミンカップ」の時から、「あまり風もないのに、なかなかグリーンオンできていない状態でした」とすでに違和感を抱いていた。前年には4位となり、その後優勝することになった全英女子の出場権を手にした大会だったが、今年は予選落ちという結果になった。4日間で75%をマークしたパーオン率も、今年は2日間で63.8%に下がっていた。

こちらも悩みの種だったティショットに関しては、明らかに調子は上向いていた。強い風が吹くリンクスでも、フェアウェイをしっかりとヒットし、本人も「ドライバーは2日間言うこと聞いてくれましたね」と手ごたえを感じた。

しかしアイアンは、迷いながらのスイングが続いた。「ボールが高く上がると距離が出ないし流されてしまうと思って、(低く打ち出すため)右足寄りにボールを置いて打つと、体が左右にブレてしっかり打ち込めない。何かを怖がっている。ドライバーのように振ればいいというのは分かっているんですけど」。実際2日目も、ラウンドが進むにつれ、アイアンショットが風に流されグリーンを外す場面が目立った。

例えばダブルボギーを喫した7番も、スコアロスの元凶はセカンドショットにあった。

ここでもティショットはフェアウェイをキープ。そして残り130ヤードほどから7番アイアンを握り、「手前は消して、奥に行ってもいいからグリーンに乗せよう」とクラブを振りぬいたつもりだったが、ボールは右からの風に流された。結果的にグリーンからみて、かなり左にある、左足下がりの深いラフへ。「しっかり体を回すこともできず、手首だけで打ったような感覚。自分が思っているより、はるか左に曲がっていきました」。三打目のアプローチが「ほぼ空振り」になるミスも重なり、スコアを2つ落とした。

もちろん無策で臨んだわけではない。「100%ではないけど、いろいろな練習をやってきました」と、試行錯誤を重ねた。ただ「この2週間は1つも成果を出せなかった。ショットはポンコツでしたね」。今後の大きな課題を残したまま、大会を去ることになった。

人生初めてのリンクスで戦った2週間。「リベンジした過ぎる」と、この慣れないコースに対する闘争心は、むしろ燃え上がった。ただ、そのためには、“悩み”を解消する必要がある。「きょうのスコアは自分の責任。風がどうこうという問題ではない。ショットに自信を持って挑めるように、しっかり成長して、また帰ってきたいなと思いました」。

昨年「人生を変えた」大会は、今年「悔しすぎる」結果に終わった。「この試合をディフェンディングで迎えられたことは、すごいうれしかった。去年と今の自分は比べるものではないと思うけど、誇らしい気持ちにさせてくれた去年の自分に感謝したいですね。これからも(歴代優勝者として)名前は残っていくのでクヨクヨしていられない。もっと頑張って練習しないとと思いました」。メジャーチャンプとしての責任感が、今後の渋野の成長への原動力となる。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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