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ワンオンチャレンジに壁ドンパット “しぶこ”らしさが詰まったウイニングロード【渋野日向子栄光への72ホール】

いよいよ、きょう20日(木)から、今季の海外女子メジャー初戦「AIG女子オープン」が行われる。昨年大会で日本勢として42年ぶりに海外女子メジャー制覇を成し遂げた渋野日向子は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会中止が相次いだことから今大会が自身初の“ディフェンディングチャンピオン”としての戦いとなる。そこで大会を前に“スマイル・シンデレラ”が誕生した、昨年大会の72ホールを振り返る。今回は最終日のラウンドをプレーバックする。

ついに3日目に単独首位に立った渋野。しかし栄光へのカウントダウンが始まっていた最終日の朝も、そんな状況などどこ吹く風とでも言わんばかりに「おはようございまーす! めっちゃ寝られました」と元気に会場入り。緊張とは無縁のスマイルを見せた。

この日ツーサムで回る2位のアシュレー・ブハイ(南アフリカ)とは2打差。予断は許さない状況だったが、いきなりピンチが訪れる。これまでボギーすらなかった3番パー4で、まさかの4パット。痛恨のダブルボギーを叩いて、2位に後退した。プレー直後はさすがに少し表情が曇ったものの、コース脇で観戦している子供の姿を見ると笑顔に。気持ちを切り替えるようにハイタッチを交わし次のホールへと向かった。

ここからは一進一退の攻防になった。5番でこの日初バーディを奪い再び単独首位に立ったが、直後の6番ですぐに並ばれる。7番でまた抜け出したが、8番でボギーを叩くとまたしても2位に後退。9番でもバーディを奪うことができず、前半終了時点でリゼット・サラス(米国)、コ・ジンヨン(韓国)に次ぐトータル13アンダーの3位タイとなった。

シーソーゲームの様相を呈すラウンドとなったが、サンデーバックナインも優勝に向けて世界の強豪たちに食らいついた。10番で5mをねじ込みバーディとすると、短いパー4の12番(253ヤード)では果敢にドライバーを振り切りワンオンに成功。これを2パットで沈め、ギャラリーから大きな拍手を浴びた。ここで1打差。さらに続く13番でバーディを奪い、首位に並んだ。

こうして最終18番を迎えた時はトップタイ。同スコアで並んでいたサラスは先にホールアウトしたため、ここで決めるにはバーディが絶対条件となった。そんななかでも果敢なプレーは変わらない。セカンドショットを6mにつけると、最後は今なお語り継がれる強気の“壁ドンパット”でねじ込んだ。高々と天に向かって突きあげられた左手。この瞬間、日本女子ゴルフ界に42年ぶりの海外メジャーチャンプが誕生した。

ラストシーンも、「鳥肌が立ちすぎて、言葉にできないです。試合が終わってから緊張してきました。泣きそうになったけど、結局涙は出ませんでした(笑)」と、いつも通りの笑顔。表彰式のスピーチで“カタカナ”で書かれたカンペに詰まっても、やっぱり笑顔。渋野の「人生を変えた大会」は、こうしてハッピーエンドを迎えた。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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