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“あの”申ジエが参考にするほどの効果 佐久間朱莉の「普段はあまりやらない」メジャーへの秘策

<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 2日目◇3日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>14.25フィートという高速グリーンが選手を苦しめた初日に「67」をマークし、単独首位に立った佐久間朱莉。2日目は「ギリギリ」と苦笑いの3バーディ・3ボギーという内容だったが、トータル5アンダー・2位タイで優勝戦線に踏みとどまった。

佐久間朱莉の純白ドレス姿がキュート【写真】

「最低1つは赤字(アンダー)という目標を立てていたので、(後半の)17番、18番のどちらかを決めたかったという一日」。ティショットをグリーン左奥にこぼした17番パー3は、3メートルのパーパットを外しボギー。そして18番パー5は、やはり3メートルのバーディパットを外し、スッキリとはいかないあがりになってしまった。とはいえ、しっかりと初優勝を狙える位置で予選ラウンドを突破。そしてこの活躍の裏には、今大会のために練ってきた秘策がある。「グリーンも硬くて、花道が使えないホールもあったので、高めのフェードを打ったホールもありました」。もともとドロー、フェードを打ち分ける器用な選手ではあるが、状況に応じてハイフェードを駆使し難局を打破している。驚くのは「普段はあまりやらない」というショットを、メジャー大会で取り入れていること。いや、メジャーだから取り入れたという言い方が正解かもしれない。この球を覚えたのは「最近」のことだという。グリーンがここまで硬くなければ、無理に使う必要もないため封印してきたが、ここで解禁した。グリーンが硬いメジャーセッティング攻略のために準備を進め、「今週は使わないと(ボールが)止まらない」と武器になっている。1ラウンドで3〜4回ほど使用し、「半分くらいはいい感じなのでボチボチ」と満足いく結果も残せている。この日は、セカンドショットで右の木がせり出していた8番パー4などで使用。「高い球でフェードを打って、風に当てれば、いい感じで止まるかな」という5番ユーティリティで打った球がピン4メートルに絡んで、バーディになった。実はそのショット、同組にいたひとりの選手も目を見張るほどの効果だった。この日「70」と伸ばし、トータル3アンダー・8位タイに浮上した申ジエ(韓国)だ。ラウンド後には、「佐久間さんが打つ、高いフェードボールが(グリーンで)止まりやすいのを2日間見ていて、いいイメージをもらいました」。元世界1位が“参考”にするほど効果的な戦略でもあった。ちなみに打ち方を聞いてみると、「ハンドレイトに構えて、あとのスイングはそのまま。ボールも少しだけ左に動かします」という答えが返ってきた。ゴチャゴチャとスイングをいじる必要がないところも実戦向きといえるかもしれない。世界トップもうなるハイフェードが、メジャーでのツアー初優勝という道を切り開くことになるかもしれない。(文・間宮輝憲)

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