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仕上がり最高! これぞメジャーの“カチコチグリーン”…その攻略法は? キーワードは「45度」【大西翔太のSHOWTIME】

今季最初のメジャー大会「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」が開幕した。コースはおなじみの茨城県にある茨城ゴルフ倶楽部で、今年は2021年以来3年ぶりとなる東コースでの開催となる。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏がトーナメント会場から、ビッグタイトルが争われる4日間の注目ポイントを紹介する。

西村優菜は憧れの人と…【写真】

■最重要になるのは“ボールの落下角度”今年のコースの印象を聞かれた選手たちが口をそろえるのが、グリーンの硬さと速さ。かなりの仕上がり具合がうかがえるが、それは大西氏も「今年イチ硬いですね」というほどだ。開幕前日には一日中大雨が降ったため、初日は多少コンディションへの影響が出るかもしれない。しかし大西氏はグリーンキーパーとの話のなかで「フェアウェイは変わらないけど、グリーンはもっと締まる」ということを聞いた。本戦中は好天予報が出されているため、日を追うごとにカチコチのグリーンへと変貌を遂げていきそうだ。そこで勝負のカギになるのが、ボールの高さだと大西氏は解説する。「スピンでは止まらないので、落下角度が勝負。グリーンに対し45度以上の角度からボールが落ちれば止まります。というよりも高さが出ないと止まらない。平均値を見ると女子は8番アイアンまでなら45度以上の落下角度がつけられます。ラフなら9番アイアンやピッチングウェッジで、という風になる。うまく使い分けて、ボールの高さをキープする必要があります」東コースはバンカー越えのシチュエーションなども多く花道が使えないため、手前から転がして乗せるという手段がとれず、ダイレクトにグリーン面にヒットさせる必要がある。そこに「角度さえあれば、ラフからでもフライヤーでも止まります」という補足も加える。実は大西氏は、この東コースで自己ベストスコアの「62」を出しているのだが、その時もラフからは高くフライヤーをさせて落下角度をキープする、というマネジメントをとったことを明かす。とにかく高い球を―。その意識が大事になってくる。■韓国の女王に驚き…「えげつない球」そのコースに、うまく立ち回りそうな選手として西村優菜の名前を挙げる。前回、東コースで行われた21年大会の優勝者だ。「西村選手はカットボールを非常にうまく打ちますが、それが高く見えます。初優勝した大会(20年 樋口久子 三菱電機レディス)もグリーンが硬いなかでの優勝でした。こういうセッティングは嫌いではないのでは」というのが、その根拠になる。さらにメジャー優勝を目標に掲げている小祝さくらも面白い存在になりそうだと見る。気持ちが入ったショットを練習場で連発していたという。球もしっかりと上げることができる選手ということもあり、条件に一致する。そして韓国から参戦するイ・イェウォンに大西氏は驚かされた。プロアマで青木の組の一組前でプレーしていたのだが、「えげつない球を打っている」とそのショット力を絶賛。美しいスイングから放たれる高い球でグリーンを狙う姿を何度も目撃することになった。まだ21歳と若いが、昨季の韓国ツアーで3勝を挙げ賞金女王にも輝いた実力もうなずけるものだ。「ショットの打点が悪いとピンにつかない、メジャーらしいセッティングですね。前回(21年)よりもグリーンは硬い。この時の西村選手の優勝スコアは14アンダーでしたが、そこまで出る気はしない。風なども吹けば、パープレーならおもしろいという展開になるかもしれません」。この他にも、季節柄グリーン周りには穂があるため、それがアプローチを難しくすることも指摘。そういった困難を乗り越えた者だけが、春のメジャー女王の座につくことができる。解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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