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アーメンコーナー攻略、名物“水切り”ではパトロンから拍手喝采 松山英樹と久常涼が練習Rで最終調整

<マスターズ 事前情報◇10日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>開幕を翌日に控えた10日(水)、松山英樹、久常涼は前日に続き一緒に練習ラウンドを回り、最終調整を行った。

松山英樹が水切りショット!【写真】

この日はインコースの10番からプレー。すると難関の3ホール、通称・アーメンコーナーでまずは松山が魅せた。11番パー4ではセカンドショットをピン4メートルほどにつけ、パトロン(ギャラリー)からの拍手を浴びる。この時には久常に向け、ガッツポーズを握り「よっしゃ〜」と、おどけるような姿も見せた。これまでに何度もドラマを起こしてきた12番パー3も2.5メートルとピンを絡める。さらに13番パー5でもクリーク越えの3打目をピタリと寄せ、ここでも歓声を受けた。そして2人が“主役”になったのが16番パー3だった。ここは、出場選手が目の前に広がる池で『水切りショット』を披露するのが恒例のホール。普通にティショットを打った後、周りを取り囲んでいるスタンドに座るパトロンの“リクエスト”に応じ、低い弾道のショットを池に打ち込んだ。するとまずは最初に打った久常が、見事にグリーンに乗せて成功。大拍手には両手を挙げて応える。すると負けじと松山も見事に向こう岸までボールを到達させた。2人で大きく会場を盛り上げることに成功した形だ。初出場の久常は、「水上ゴルフ練習場出身なので水切りはいつもやってた…というのは冗談ですけど、練習もたまにしていて、その成果を発揮できてよかったです」とご満悦で舌も滑らか。オープンウィークにした2週前にはオーガスタを訪れ、事前に2ラウンドを行っているのだが、水切りショットはそこでも“調整済み”。ただし、この時は「池、池」という結果だっただけに、“本番の強さ”も印象づけた。前日のアウト9ホールに続き歴代王者の松山と回った21歳は、「すごいですし、自分ではマネができない。いろいろなことを18ホールで教えてもらった」と貴重な2日間に感慨深げ。「しっかり整理して、生かしたい。松山さんのすごさを肌身で感じた。すごすぎました」と、体感したものをあすからの本番で発揮できるようにチャレンジしていく。また久常には、ここで結果を残したい大きな理由がある。現在、世界ランクを基に決められるゴルフ五輪ランク(R)で、日本勢最上位は10位の松山(世界R12位)。そして31位の中島啓太(世界R79)が続く。世界R87位の久常は、原則、各国のランク上位2人が勝ちとる代表権争いで現在3番手に甘んじている。そのため「(メジャー大会は)ポイントが大きいので稼ぎたい。4日間しっかりとプレーしたい」と意気込みは強い。五輪の開催コースになるフランスのル・ゴルフ・ナショナルは、昨年9月にDPワールド(欧州)ツアー初優勝を挙げた「カズー・フランスオープン」で使われた場所でもあるため、「そこに戻りたい。日の丸をつけて戦う機会は少ない。そこを目指して頑張っている」と、大きなモチベーションのひとつになっている。ラウンド後もともに練習を行い、久常は大会恒例のパー3コンテストにも出場した。準備は万全。この日と同じような拍手喝采を本番で浴びる2人のサムライの姿に期待したい。(文・間宮輝憲)

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