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新スタイル確立で不振脱却 河本結を奮い立たせる同級生Vとファンの声援

<ヤマハレディースオープン葛城 初日◇28日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6455ヤード・パー72>長かった不振を脱し、新たなスタイルを確立しつつある河本結がボギーなしの「68」をマークし、首位と2打差の4アンダー・4位タイと絶好のスタートを切った。コロナ禍の2020年に米国女子ツアーに挑戦したものの、調子を崩して早期撤退。そこから狂った歯車がようやくかみ合い始めた。

森田理香子のヒョウ柄ウェア【写真】

スタートの10番パー4で2打目を1メートルにつけてバーディ発進の河本は、14番パー4の2打目も48度のウェッジで1メートルにつけてバーディ。続く15番は5メートル、折り返しの18番では上からの4メートルを沈めて、快調にスコアを伸ばした。4つのバーディ以上に大きかったのは16番のパーセーブ。「8ヤードのチップインでした」と満足そうに振り返った。後半はすべてパーとスコアは伸ばせなかったが「短いチャンスは作れなかったけど、バーディパットがカップを重ねてお先にパーという感じが続いていたので、いいゴルフだったと思います」と納得の表情。先週は今季初のトップ10入りとなる9位でフィニッシュ。今週もいい流れが続いている。長い不調はショットの乱れから始まった。「ショットが良くないので、マネジメントを変えて、広いところを狙い始めたら、自分のゴルフ脳が馬鹿になったというか、攻められなくなってしまって、スコアも出なくなりました」。久々にショットの状態が上向いてきた今大会では「ぜんぶ自分で距離を測って、風も読んで、番手を選んで組み立てる。自分のゴルフ脳を鍛えながら試合をやっています」。調子が良かったころの自分に戻るのではなく、今は新たなスタイルを確立している真っ最中だ。先週は同じ黄金世代の臼井麗香が初優勝。「麗香とは仲が良くて努力してきたのを知っているので、神様は見ているんだなと思いました。刺激をもらったというより、自分が勝ったような感覚で自信をもらいました」。裏を返せば、河本もこの4年間、努力を積み重ねてきたという自負があるのだろう。「不調の時より、多くのギャラリーの方が見てくれていて、それがスコア以上にうれしい。私も声援を受けていいんだって気持ちになりました」。ラウンド終盤には雨も降り始めたが、心は晴れやか。新たなスタイルを模索しつつ、5年ぶりのツアー2勝目を狙っていく。(文・田中宏治)

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