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高い球がカギ…グリーンに潜む“ワナ”に気づけるか? 今年もニューヒロイン誕生の予感が【大西翔太のSHOWTIME】

国内女子ツアーは、きょう22日に今季4戦目の『アクサレディス宮崎』が開幕。先週の鹿児島に続く九州での戦いの見どころは? 青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏がトーナメント現場で、注目ポイントを語る。

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◇■初優勝者は4人…ニューヒロイン誕生にも期待!先週に続き、週末に雨予報が出されている宮崎。もともと風が回るコースが悪天候になれば、余計にどのような結末になるのかまったく予想がつかなくなる。波乱も起こりそうだが、もともとこのUMKカントリークラブは昨年QTランク181位から地元出身の山内日菜子が“奇跡の初優勝”を果たしたように、多くのドラマが生まれてきた地でもある。大西氏も「ニューヒロインが生まれてきた大会。それにも期待したいですね」という楽しみも胸に抱いている。これまでを振り返ると、第1回大会(2013年)の堀奈津佳から、渡邉彩香(14年)、河本結(19年)、そして山内と過去10大会のうちツアー初優勝者4人を輩出している。これについて大西氏は、「飛ばし屋が有利なコースではない。風も吹きますし、そこはさじ加減できない。午前中の人が早く出て優位に立つというケースも考えられますね」など、要因について考える。そのコースで、ポイントになるホールとして挙げたのが2つのパー5。すなわち520ヤードの1番と、498ヤードの10番だ。平坦で距離も長くないアウト、インそれぞれのスタートホールでバーディを獲れるかというのが、その後の展開に影響すると大西氏は説く。「グリーンにアンジュレーションも少ないし、ここを獲ることでリズムよくいける。逆にボギーを打つとメンタルにも響きますし、選手もそれは理解している。この後にはトリッキーなホールも多いですから」。まさにスタートダッシュが大事なコースというわけだ。■“軟らかそうな”グリーンに潜むワナまた練習ラウンドやプロアマで回るなかで、今年のコースのこんな特徴も発見した。「グリーンは表面は軟らかいけど、その下が硬い。低い球だと、ランがしっかりと出てしまいます。つまり、しっかりと落下角をつけたボールで止める必要があります。ラフは短いけど、そこからのショットが意外と走るシーンを何度も見かけましたし、選手たちが驚く声も聞こえてきています」。その基準になるのは“打ち出し角45度以上”。女子の選手でいうと、7、8番アイアンあたりまでの打ち出し角で、しっかりと止める必要があるという。「球が低いと前にいく。フェアウェイもキープしながら、グリーンを狙いたいですね。『今ので止まらないの?』という現象がけっこう起こりそうです。例えば、7番アイアンまでは高い球でピンを狙ってOKだけど、ユーティリティなら手前から攻めるとか、番手によって戦い方を変える必要もありそうです。選手たちは、“なんで止まらないの?”というギャップを早めに埋めないといけません。それがいい攻略になると思います」そんなコースで注目する選手のひとりとして、大西氏は先週7位に入ったルーキーの菅楓華を挙げる。もともと「手足も長くて、アイアンでめくれるような球を打って止められる。女子っぽい球ではない」とそのポテンシャルの高さを感じていたというが、まさにその特長はこのグリーンを攻略するうえでピッタリ。さらにコースから自宅まで車で10分という地元出身選手。地の利や声援も大きなアドバンテージになると考える。「菅さんに加え、デビュー戦の清本美波さんと、2週前に2位になっている藤田かれんさんが回る第1組は楽しみ。ここから初優勝が生まれても不思議ではありません。あるいは、桑木志帆さんや阿部未悠さんらのように、これまで勝ちそうで勝てなかった選手がポンと行くことも考えられます。誰にでもチャンスがあるセッティングと言えますね」UMKの女神は、今年どの選手にほほえみかけることになるのだろうか? そのカギは、グリーンを狙うショットが握っていそうだ。解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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