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「一回り大きくなれました」 山内日菜子が振り返った1年前の“奇跡の優勝劇”

<アクサレディス宮崎 事前情報◇21日◇UMKカントリークラブ(宮崎県)◇6545ヤード・パー72>会場のUMKカントリークラブのポスターに書かれている、『奇跡は起こせる ―181位から、NO.1へ―』の文字。その写真に使用されているのは昨年の大会優勝者・山内日菜子だ。1年前のできごとについては、本人も「奇跡だと思っている」と振り返る。ポスターの主役になっていることは「うれしいです。いろんな選手に“かっこいい”と言われました」と誇らしい。

181位からNo.1へ 注目のポスターです【写真】

昨年の開幕時のQTランクは181位。2002年にQTが始まって以降、これが最もランクが低い選手によるレギュラーツアー優勝だった。主催者推薦で地元・宮崎県で行われる大会に出場し、シーズン自身初戦で勝ち取った勝利はまさにシンデレラストーリー。“史上最大の下克上”として大きな話題にもなった。そこからの362日については「あっという間ですね」と話す。ただ「いろいろ経験できて、一回り大きくなれました」という自負もある。これまでのキャリアの大半は下部ツアーを主戦場に戦ってきたが、今年はシード選手として開幕を迎えた。昨年はガムシャラにとにかく試合に出続け、結果的に33試合に出場。そのなかで、特に夏場は、体力面に不安を感じながらプレーを続けていたという。そこでこのオフは下半身強化をメインにしたトレーニングにも打ち込んできた。効果については「グダグダしなくなった」と、これまでの3試合でも実感できている。連覇がかかる大会では、「宮崎が盛り上がっている」ことも肌で感じている。周囲からも『応援に行くよ』という言葉をたくさんかけられてきた。“地元選手”という以上の期待も感じてはいるが、「気合を入れ過ぎて空回りするのは嫌」と平常心を貫くつもりだ。オフも週1回は練習に訪れる勝手知ったるコースではあるが、開幕前日に行われたプロアマの18番ホールでは「特にゆっくり歩きました」とちょっぴり感慨にも浸ったという。普段はないスタンドなども設営されたことで、去年の“あの日のこと”を思い出すこともできた。「いつものUMKという気持ちで回りたいですね」。奇跡の物語の主役は、しっかりと地に足をつけディフェンディングチャンピンオンの名に恥じない戦いを見せる。(文・間宮輝憲)

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