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プロゴルファーも自分たちの将来を考えて行動しないと… JLPGA社員総会に思う【原田香里のゴルフ未来会議】

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。

スロープレー規定変更について発表する小林浩美【写真】

桜の便りがぽつぽつと届き、春本番の様相の中、JLPGAツアーも3試合が終わりました。ワクワクするような試合が続いているので、みなさん、どうぞ毎週楽しんでください。華やかにツアーが開催されている一方で、今週の月曜日(18日)には、私たち日本の女子プロゴルファーのほとんどが所属する日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の第62回定期総会が行われました。今回は、ツアーを主管するJLPGAについて、少し詳しくお話ししたいと思います。舞台裏、と言ったらいいでしょうか。2年に1度の役員改選は12月に行われます…。定時社員総会は毎年、3月のこの時期に行われます。選挙があるときは12月の投票で選ばれた理事候補がこの3月の総会で承認を受けて正式に新体制が発足する流れとなっています。選挙のない年は、特に大きな議題がなければ、決算報告や予算の話などが中心となります。“JLPGA会員=社員”なので、協会の最高決定機関はこの総会です。とても大事なものなのですが、実際には近頃、形式的なものになりつつあるのも事実です。シーズン中ですが、ツアーに出ている選手も出席できるように月曜日に行われることが恒例になっているのですが、委任状提出で総会が成立すれば問題ないので、出席する会員はとても少なくなっています。今年は10人だったそうです…。私自身も、申し訳ないのですが出席できなかったのでえらそうなことは言えないのですが、自分達の協会の大切な会議です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、こうした会への出席者がさらに少なくなったように思えますが、しっかり自分の考えを持って臨むという意識だけは、少なくとも持っていなければいけないのかなと思うところです。JLPGAの組織は、この総会の下に理事会があり、事務局があって動いています。現在は、小林浩美会長を筆頭に7人の理事が中心になって運営されており、事務局が実務を担っているのです。若い頃の自分にも反省するべきことは多々ありますが、いま言えることは会員がきちんと意識しておかなければいけないことはたくさんあります。難しいことは「わからない」と協会任せにするのではなく、自分が所属している協会組織に興味を持つことも大事だと思っています。その組織を実際に動かしているのは理事のみなさんです。でも、2年に1度その理事を選挙で選ぶのは会員たちなのですから。現在の規定ではJLPGAの理事には会員しかなれません。しかし、より幅広く、グローバルな組織の経営をするためには、“会員ではない外部理事を入れたほうがいい”という話は、私が理事になる前から出てはいます。ですが、それがなかなか現実のものになっていません。日本プロゴルフ協会(PGA)も日本プロゴルフツアー機構(JGTO)も、外部から人を入れることで視野を広めています。さらなる飛躍のためにも、そろそろJLPGAも外部理事を入れることを真剣に考えたほうがいいと思います。現在はプレーヤーズ委員会が協会(執行部)と選手たちとの連携を深める役割を果たしており、様々な意見交換が行われていると思います。会員のみなさんがするべきことは、ツアーでの活動だけではありません。将来の自分たちのため、また自分たちが所属しているゴルフの世界のためにも、社会勉強、一社会人としての自覚は必要だと、いまの私は実感しています。そんなことを色々と考える今日この頃です。■原田香里(はらだ・かおり)1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部で腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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