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新PT世界初投入の木村彩子が最下位から奇跡のカムバック INコース全1パットの「29」で7位に浮上

<明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント 3日目◇9日◇土佐カントリークラブ(高知県)◇6273ヤード・パー72>28位タイから出た木村彩子は2番から4連続ボギーで一時は最下位の60位に沈むも、9番からと15番からの2度の4連続バーディで「68」をマーク。トータル4アンダーとし首位と10打差ながら7位に浮上した。

たくさんのバーディを奪取した最強のパター【写真】

前半は気まぐれに吹く風に翻ろうされてスコアを落としたが、9番ホールでスイッチが入った。ティイングエリアに向かう途中のリーダーボードを見ると「ビリでした。ビリは嫌だよねと(岡本史朗)キャディと話していました」。9番パー4は真っすぐの打ち下ろしで383ヤードと比較的距離の短いチャンスホール。ビリ回避のために「攻めました」というピンまで100ヤードの2打目は、52度のウェッジで3メートルにつけた。2カップ右に曲がる難しいラインだったが、「しっかりヒットできていいタッチで打てた」ときれいにカップに沈み、初バーディを奪った。後半に入ってスイングを修正したり、何か変えたわけではないが、「一ついいのが入るといいイメージになる」とグリーン上の感覚が改善された。折り返した10番から13番まで5メートル以内を沈めてこの日イーブンパーに戻す。そして18番パー4で1メートルを沈めて2度目の4連続バーディで締めくくった。強風の難コンディションの中、スコアカードを見ると後半はオール1パットでハーフ自己ベストを更新する「29」をたたきだした。海に近い今コースは、木村にとって相性がいい。師事する南秀樹コーチが香川県のシーサイドコース、志度カントリークラブを拠点の一つとしており、木村もよくラウンドをする。「コースの高低差があった、風の感じとか似ていてイメージがいいんです。(今週は)優勝を狙って入ったのですが、試合になると緊張するので予選ラウンドはうまくいかなかった」と伸び悩んだが、決勝ラウンドに入ってようやくエンジンがかかってきた。この日8つのバーディを奪った木村の手には、今年5月に発売されるオデッセイの新モデルのパターが握れられている。これまでの『Ai-ONE』シリーズのAiが設計した裏面に複雑な形状を持つインサートとラケットホーゼルと呼ばれる三角系のネックが特徴の『トライビーム』シリーズが融合した『Ai-ONEミルド トライビームパター』である。国内女子ツアーの開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」から本格投入され、木村が世界で初めて実戦投入した選手だ。「世界初です(笑)。このパターは出球がよれないのでライン読み間違えがないかぎり入ります。Aiのインサートなのでロングパットとか芯を外したときの距離感が狂わず、いい意味で転がってくれます」と、ハーフベスト更新の味方となった。「トップ(の鈴木愛)がだいぶ伸びちゃっていると思いますが、(上位に)なるべくついていけるように頑張ります。好きなコースなので」。首位との差は10打と開いているが、この日最下位から奇跡のカムバックを見せた木村が、最終日も何かを起こす。

<ゴルフ情報ALBA Net>