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今週は千葉で“秋の花火合戦”を開催? ショットメーカー有利の大会で抜け出すのは… 【大西翔太のSHOWTIME】

<伊藤園レディス 初日◇10日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>日本で唯一の米国女子ツアー公式戦も終わり、今週は1985年に第1回が行われた老舗大会が千葉県で始まる。昨年は山下美夢有がこの大会を制し初の女王を戴冠。今年もシーズン終盤とあって、やはり女王、そしてシード争いを大きく左右する一戦になる。そんな大会の展開を、青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が占う!

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■先週に続き伸ばしあいの展開になりそう?優勝した稲見萌寧がトータル22アンダーを出すなど、先週は茨城で派手なバーディ合戦が繰り広げられたが、今週もその続き、いやそれ以上の激しい“打ち合い”に期待できそうだ。「グリーンは硬くない、ラフも長くない。優勝を目指すなら18アンダーくらいは必要になりそうです」。もちろん天候などにも左右されるが、ピンをデッドに狙う選手の姿が多く見られるのでは? そんな展開を予想する。2年前には稲見がトータル17アンダーで優勝しているが、それは2位に9打差をつけての圧勝。今年は複数人がそれに近いスコアを出すことになるかもしれない。ラフからでもチャンスが狙える状況ならば、なおさらかもしれないが、大西氏は「だからといって飛ばし屋有利ではない」と付け加える。コースのなかには右ドッグレッグ、ハザードが効いているホールなど、距離があるとまずは刻むことを考えないといけない場所が「5ホール」はあるという。確かに歴代優勝者を見ると昨年の山下から稲見、古江彩佳、鈴木愛、黄アルム(韓国)…というようにショットメーカーが名を連ねている。この系譜は今年も続くのでは?と大西氏は見ている。■「調子のよさ」を感じさせる相棒も優勝候補のひとりに「パッティングを芯でしっかり打てる人が上位に来ますね」という条件も加え、大西氏は優勝候補を選び始める。そして最初に名前が挙がったのが吉田優利だ。今季メジャー1勝、夏場には6試合連続でトップ10入りするなど順調なシーズンを送ってきたが、最近はやや停滞気味。それでも「最近は調子が上がっていますね。パターを芯で打つタイプで、ピンをデッドに狙える力がある」と、ここに来て再浮上の予感を抱かせる仕上がりだという。続いて「コースで見ているとパターの転がりがいいですね」という小祝さくらも、優勝を争うひとりになりそうだ。さらに「いいですかね?」と少し遠慮気味に挙げたのがタッグを組む青木の名前。「他の選手が刻むホールでも、青木さんはすべてドライバーを握ることができる。これはやはり有利です」。飛距離は出ない青木だが、ティショットの際、細かいことに神経をすり減らさずプレーできることのメリットを説く。なによりも「調子のよさ」は、ずっと隣で見ているからこそ感じられる部分。先週も8位タイと上位争いをしたこともあり、今季2勝目がそろそろ来てもおかしくない。このほかにも、菊地絵理香、吉本ひかる、永井花奈と、やはり飛距離ではなく、ティショット後のプレーで勝負する選手たちが気になる様子。週末には寒さを増すことも予想されるが、“秋の花火合戦”を最後に制するのは一体誰になるのだろうか?解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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