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“名前通り”の結末に苦笑い 仁井優花はプレーオフ惜敗で「2位はもういい(笑)」

<樋口久子 三菱電機レディス 最終日◇29日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6650ヤード・パー72>3打差を追って5位タイから初優勝を目指した仁井優花(にい・ゆうか)は「69」をマーク。トータル9アンダーで並んだ3人でのプレーオフに臨んだが、1ホール目でバーディを奪ったリ・ハナ(韓国)に敗れて2位タイに終わった。それでも、4月の「パナソニックオープン」の4位タイを上回る自己最高成績。名前通りの「2位(にい)になっちゃいましたね」と苦笑いを浮かべた。

誇らしげに優勝トロフィーを掲げるリ・ハナ【写真】

「順位やスコアを気にせずにプレーしていました」という最終日だが、17番パー4で6メートルのバーディパットを沈めたところで、首位に並んだことを認識した。前の組を回ったハナは18番パー5をバーディとしたため、再び追う展開。プレッシャーが襲う中、仁井は18番で1.3メートルのバーディパットを沈めて、プレーオフに持ち込んだ。1つ後ろの最終組で回った山下美夢有もトータル9アンダーでホールアウトし、プレーオフは3人による争い。1歳上の山下とはジュニア時代から仲が良く、頻繁に食事に出掛ける間柄でもある。「プロになって試合で一緒に回るのは初めてだったので、歩きながら『まさかプレーオフで回るなんてすごいね』って話していました」。ふたりにとっては夢が叶ったような展開だったが、結末は望んだ通りにはならなかった。18番パー5で行われたプレーオフ1ホール目のバーディパットは「正規のラウンドの18番と全く同じラインで、距離は同じ1.3メートルだったんですけど、緊張してしまいました」。打ち切れなかったパットはカップの手前で右に逸れて、わずかに外れる。「最後のパットだけが敗因。それだけを悔いている感じです」。直後にハナが30センチのウイニングパットを沈めて、プレーオフは決着となった。プレーオフはもちろん、最後まで優勝争いを演じるのは初めて。「こういう精神状態になるんだと勉強になりました」。この経験は必ず生きてくるはず。悔しい敗戦にも涙はなく「2位になっちゃいましたね。2位はもういいです(笑)」。レギュラーツアー本格参戦1年目でシード獲得を確実にしている21歳は、しっかりと次のチャンスを見据えた。(文・田中宏治)

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