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ウー・チャイェンは今週でステップ女王戴冠へ「次の試合で決められるように」

<樋口久子 三菱電機レディス 最終日◇29日◇武蔵丘ゴルフコース(埼玉県)◇6650ヤード ・パー72> ステップ・アップ・ツアーで賞金ランキングトップを独走しているウー・チャイェン(台湾)は4バーディー・2ボギーの「70」で回り、トータル1アンダーの19位タイでフィニッシュした。レギュラーツアーは7試合目の出場。これで6試合連続の予選通過、5試合連続の20位以内となった。すでに4勝を挙げている昨季のステップ女王・櫻井心那に続き、今大会では2020-21年女王のリ・ハナ(韓国)がレギュラーツアーで初優勝。今季の女王の座を確実にしているウーも疑いようのない実力を持っている。

誇らしげに優勝トロフィーを掲げるリ・ハナ【写真】

今月は当初エントリーしていたレギュラーツアーの「スタンレーレディスホンダ」を欠場。ステップ・アップ・ツアー「日台交流うどん県レディース」ではを最終日に途中棄権していたウーは久々にトーナメントを完走。「毎週試合があるのは今年が初めてだったので、慣れていなくて左肩を痛めていました。理学療法士の両親が治してくれたのでもう大丈夫。ただ、今週は風邪気味で鼻声なんです」。今大会もコンディションは万全ではなかったようだが、ゴルフの調子は上々だった。 初日は33パット。先週、台湾に帰国し「8フィートぐらいのグリーンで練習していましたから」と12フィートを超える高速グリーンに苦しんだ。それでも、2日目には29パットと改善。最終日は「ショートパットをほとんど外しませんでした」と再び29パットにまとめた。さらに最終日のフェアウエーキープ率100%。ティーショットでもさすがの安定感を見せた。 残り3試合となっているステップ・アップ・ツアーで出場を予定するのは今週の「 明治安田レディスオープン」のみ。この試合で賞金ランク2位との差を720万円以上に広げれば、2試合を残して女王戴冠が決定する。現在は約707万円の差。「3連勝する選手がいれば、抜かれてしまうのですけど、次の試合で決められるように頑張ります」と意気込んだ。 女王を意識するようになったのは5月から6月にかけて出場3試合連続で2位になったころから。この時点では賞金ランク3位だった。次の試合で賞金ランクトップに立つと、さらに次の試合では初優勝。この試合を含めて6試合で3勝と、瞬く間に勝てる選手に変貌した。「初めのうちは優勝スピーチやインタビューが怖くて、上位でプレーしていてもゴルフに集中できていませんでした。1回勝って慣れましたから、もう大丈夫です」。インタビューへの自信がコース上での自信に繋がった。 先週は台湾で師匠の?阿玉と2度顔を合わせ「他のことは気にせずに自分のプレーに集中して頑張ってと言われました」。ステップでの戦いを終えた後は再びレギュラーツアーの「大王製紙エリエールレディス」に出場予定。師匠は入会前の13勝を含め、日本で71勝を挙げたレジェンド。その言葉を胸に来季のさらなる飛躍に向けた掛かりとするつもりだ。(文・田中宏治)

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