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“平均飛距離最下位”の稲森佑貴が4位浮上 「上りにつける作戦」でバーディ量産

<ZOZOチャンピオンシップ 2日目◇20日◇習志野カントリークラブ(千葉県)◇7079ヤード・パー70>“日本一曲がらない男”はパターを武器にリーダーボードを駆け上がった。26位タイから出た稲森佑貴は、この日3番目にいいスコアとなる「67」をマーク。トータル4アンダーまで伸ばして、首位と3打差の4位タイに浮上した。7つ奪ったバーディは、いずれも4〜5メートル以上の長い距離から奪ったものだった。

曲がらない男はラフに入っても動じない!【写真】

480ヤードを超えるパー4が5つあり、ボールがすっぽり埋まるラフというタフなセッティング。加えてこの日は最大瞬間風速16.5m/Sを記録するなど、一日中強い風が吹いた。「ラフに入れたらボギー覚悟。長いホールは、いい意味でボギーOK」として臨んだ。インから出た稲森は486ヤードの11番パー4で、“想定内”のボギーが先行。続く490ヤードの12番パー4では、ティショットをラフに入れたが、3打目を2メートルほどに寄せてパーでしのいだ。「そこから流れが良くなった。16番で長いのが入って、パッティングのアライメントが合って感触が良くなりました」。17メートルの長距離を沈めた16番パー3から、怒とうの4連続バーディ。その後はバーディとボギーを繰り返したが、「ベタピンはなく、短くても4〜5メートル」という距離から面白いようにボールがカップに沈んだ。この2日間、ドライビングディスタンスは272ヤードで77人中最下位と、パワーで圧倒されている。国内では7季連続でフェアウェイキープ率1位を獲得し、今季は前人未踏の80パーセントに迫る79.98%の数字を残している稲森だが、この2日間のフェアウェイキープ率は61.54%で7位タイ。上位ではあるが、稲森の定位置とはいえない。「(ドッグレッグホールが多くて)ランアウトしたり、横風が吹いたり。フェアウェイを外れるのは仕方ない」と割り切っている。その代わりに2日間のパーオン時の平均パット数は1.50で2位。2日間で最多タイとなる12バーディを奪っているが、パッティングの貢献は非常に大きい。この日はグリーン上のボールの転がりにも影響を及ぼす強風だったが、上りのパットを残す作戦が奏功。「下りや横のパットは風に持っていかれると思いますが、上りならしっかり打つので、そこまで影響なかったと思います」と、強風下でもバーディを量産することができた。首位とは3打差。好位置で週末を迎える。「今日はだいぶうまくいってくれました。世界レベルなのでいきなり優勝を目指すっていうのもアレですけど、残り2日間、自分ができる範囲のゴルフをしていきたい」。日本一曲がらない男、もとい“平均飛距離最下位の男”は、割り切ったスタイルで世界レベルに挑む。

<ゴルフ情報ALBA Net>