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涙のZOZOから1年 久常涼がリベンジへ「今年一番頑張りたい大会」

<ZOZOチャンピオンシップ 事前情報◇17日◇習志野カントリークラブ(千葉県)◇7079ヤード・パー70> 主催者推薦により3年連続3回目の「ZOZOチャンピオンシップ」に出場する21歳の久常涼。「今年のペチベーションはこの大会を頑張るためでもあった」と鼻息は荒い。

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それには理由がある。昨年はトータル10アンダーのトップ10圏内で最終18番パー5を迎えたが、残り58ヤードのラフからの3打目をミスしてガードバンカーに入れてしまう。このバンカーショットは3メートルに寄せたが、パーパットはカップに蹴られて痛恨のボギーフィニッシュ。トータル9アンダー・12位タイに終わった。「去年はあんな悔しい終わり方だったので」と、最後の最後で2週間後のPGAツアー「バターフィールド・バミューダ選手権」に出られるトップ10を逃し、涙した。だからこそ、「今年一番頑張りたい大会。(推薦で)出させていただいてありがたいですし、結果で返せるように頑張りたい」と、人一倍気合が入っている。火曜日には練習ラウンドを行い、悔しさが残る18番では「今日もバンカーに入りそうだったので、あれは僕の技術では入るんだなと感じました」と笑い飛ばす。そして、「今年はちゃんと行くのか行かないのか、もっとメリハリをつけてやりたいですね」という。昨年は3打目で56度で打つか60度で打つか迷っていたが、「しっかり決めきれずに60度で打ったら、良いところに当たらなくて…」とミスにつながった。「本当にいい位置でプレーできていたからこそのプレッシャーもありましたし、ちょっとそれに耐えきれなかったのが去年。今年は優勝できましたし、少しは成長した姿をお見せできたらなと思います」。久常は今季、欧州ツアーを主戦場として、9月にフランスで行われた「カズー・フランスオープン」で欧州初優勝。海外で揉まれて経験を積んできた。今大会の予選ラウンドは欧州ツアーともに通算2勝のニコライ・ホイガード(デンマーク)と、ミンウー・リー(オーストラリア)との組み合わせ。久常が練習ラウンドで8番ティに立ったときには、そこを通りかかったホイガードが久常に声をかける場面もあった。「2人とも本当に好きな選手でいい刺激がある。ニコライは高校生の時にトヨタジュニアで一緒に回ったりもしていて、彼のほうがずっと先を行っていた。この1勝で少し近づけたかなと思いますけど、まだまだ彼は遠い存在。彼のようないい選手と予選ラウンドから同じ組でプレーできるのはすごく楽しみですし、負けないように頑張りたい。ニコライはバカッ飛びするんですよ(笑)。やばいです」 久常の1つ年上の22歳、ホイガードの主戦場は米ツアーで、今季は最長402ヤードを記録したこともある飛ばし屋。久常も、来季の米PGAツアー切符を得られる欧州ツアーのポイントレース上位10人(すでにツアーカードを保持している者を除く)に入っており、このままなら来季はPGAツアーでプレーしている可能性が高い。また、メジャー2勝を含む米国女子ツアー通算9勝を挙げているミンジー・リーの弟でもある25歳のミンウーに関しては「彼も昨年、オーストラリアンオープンで一緒に回って、そこからすごく声をかけてくれますし、本当にいい人で僕もファンです」と語る。続けて「彼のような球を打ちたくてフェードを打っているようなものですね」とまでいう。欧州転戦で英語は「だいぶ楽になってきました」と、積極的に海外の選手とコミュニケーションを取ることで上達。欧州ツアーでの優勝もあって海外の選手にも認知されてきた。今大会の目標を聞くと、「やっぱり出るからには優勝がしたいですし、そのために頑張ってきたので、今年は1位を目指して頑張りたい」としっかり答える。昨年逃したトップ10よりも高い目標を立てて、悔しい思い出を振り払いにいく。(文・下村耕平)

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