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パターにアイアンシャフトで操作性がアップ? 尾関彩美悠の“ビックリひと工夫”「しっかり打ち切れるようになりました」

<日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯 事前情報◇6日◇パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(長崎県)◇6755ヤード・パー72>昨年の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」でツアー初優勝。シード選手として2年目のシーズンを迎えながら、7試合連続予選落ちを経験するなど苦しい時期も送った尾関彩美悠の調子が上がっている。先週の「ゴルフ5レディス」では今季3度目のトップ10入りとなる8位。いい感触を残したままメジャー大会を迎えた。

言われてみれば違和感あります【写真】

初めて回ったコースの印象は、「風が強いのと、グリーンにマウンドが多くて難しいですね」というもの。舞ったり、急に向きが変わったりという大村湾から吹き込む風の計算は、一筋縄ではいかない。開幕前日のプロアマでは、その大村湾に囲まれ海を越えてグリーンを狙う12番パー3で、“洗礼”を浴びた。「(クラブを)2番手上げたんですけど、それでも届かなくて。150ヤードくらいを(飛距離170ヤードの)5番UTで打ったのに、手前で…」。また17番パー3でも、打った瞬間に風が吹き、思わぬ池ポチャを食らうことに。このコースの難しさをまざまざと感じることになった。「アイアンはまだまだ理想通りではない。もう少し精度を上げられそうですかね」とショット面に少しの違和感も残しているが、それと同時に最近の課題として感じていたのはグリーン上。カップに届かないケースが多く、克服に向けての試行錯誤も続けてきた。その一環として、こんな工夫をして試合に臨んでいることを明かす。「パターに8番アイアンのシャフトを挿しています」。猛暑の影響もありグリーンが重く、イメージ通りのスピードが出ない試合が続いたことで、距離感が合わせづらかったこともショートパットが続いた原因。そこで、これまで装着していたパターのシャフトよりも軽い、スチールのアイアンシャフトを挿したパターを握って今はグリーンに上がっている。カーボンシャフトに比べ、しっかりした感触が手に伝わってくる。さらに50グラムほど軽くなったこともあり「しっかり打ち切れるようになった」という。パターで悩んでいた尾関の話を聞いたテーラーメイドの担当者が、「ニトリレディス」の週にこれまで使用していたヘッドよりもフェースが硬いトラスの『デルモンテ』を勧め、そこに日本シャフトの『N.S.PRO850 S』を装着したものを挿して持ってきたのが使い始めたきっかけ。「最初はすごいビックリしました。『アイアンのシャフトなんですか?』って(笑)」。尾関自身も目を丸くしたというが、試しにボールを打ってみると転がりもよく、すぐに気に入ることになった。そして、その週の最終日から投入することになる。翌週のゴルフ5レディスでは、初日からこの“番手ずらし”を施したパターを携えてプレーし、3日間平均のパット数は『27.33』を記録。これは鈴木愛らに並ぶ全体1位の数字になった。「パターが課題だったけど、そこも少しずつよくなっていて」という言葉にもうなずける。今週はメジャーながら、猛暑の影響もあってグリーンはセッティング担当者が思い描いたほどスピードが出ていないのが実状。となれば、“重たいグリーン対策”のこのパターが、力を発揮してくれそうだ。開幕から低迷していたポイントレースも、現在シード圏の50位内に迫る59位まで順位を上げている。「ちょっとずつよくなってきてるけど、まだまだ課題も多いので、そこを修正しながら。上位にいけるように頑張りたいですね」。アンジュレーションに富む長崎のグリーンも制圧し、“完全復調”を印象づけたい。(文・間宮輝憲)

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