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「今年イチ狭いフェアウェイ」×洋芝=選手が苦戦? “地の利”を生かしたプレーに注目を【大西翔太のSHOWTIME】

<ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ 事前情報◇5日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6420ヤード・パー72>間もなく夏本番! 国内女子ツアーは一度本州を離れ、年間4試合ある“北海道シリーズ”の初戦を迎える。昨年まで「ニッポンハムレディス」として行われていた大会が名称を一新。コースも真駒内カントリークラブ 空沼コースに移し、心機一転の戦いとなる。そこでどんな熱戦が繰り広げられることになるのか? 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、展望を占う。

ノリノリできつねダンスを披露する小祝さくら【写真】

■北海道といえばやはり洋芝が難敵になる?「“今年イチ”フェアウェイが狭いコースですね」。練習ラウンド、そしてプロアマで実際にコースを確認した大西氏は、コースの特徴として真っ先にこのポイントを挙げた。多少、広がったり、絞られたり…というのは当然あるが、それでもパー3以外のすべてのホールが、ツアーを行う他会場に比べ圧倒的にタイトな設計になっているという。最も狭いところを歩測してみたところ、その幅なんとわずか12ヤード。選手がティショット時に感じるプレッシャーは推して知るべしだ。だからといって、簡単にラフに外すこともできない。そこには北海道特有の洋芝が広がっているからだ。フェアウェイを外してしまうとボールが沈みこみ、一気にチャンスにつけづらい状況になるというセッティング。「フェアウェイに置かないと勝負になりません。無理をすると自分の首を絞めることになるため、刻む勇気が必要。毎ホール頭を使って、コースに向き合うことが大事になります」というのが、スコアメイクへの第一歩かつ最重要ポイントになると大西氏は考える。そして、その洋芝はグリーン周りのプレーも難しくする。やはりボールは沈みがちになり、「アプローチ、パターで苦戦する選手は多そうです」と、ここにも警戒が必要。さらにグリーンは受けの傾向が強く、さらに奥に外すと芝がしっかりと刈り込まれているため、寄せるのは困難を極める。グリーン自体の傾斜も強いため、しっかりフェアウェイから手前、手前を心がけることが求められる。■地元勢の躍動とドライバーが曲がらない選手に注目今週行われる海外メジャー「全米女子オープン」に出場するため、現在、メルセデス・ランキング1位を走る山下美夢有や、明愛・千怜の岩井ツインズら好調な選手の欠場も多く、戦況は混とんとしそう。ではそのなかで誰が上位争いをけん引することになりそうか?大西氏は真っ先に、地元・北海道勢の小祝さくらの名前を挙げた。今季は未勝利ながらコースで見るかぎり、「状態は上向きです」。しっかりとトップ10には5度入り、ポイントランキングも12位につけるなど、その安定感が損なわれているわけではない。「フェアウェイをヒットするショットも増えてきていますし、何よりもしっかりと刻む打ち方ができる選手です。北海道出身とあって洋芝にも慣れていますし、そこは大きなアドバンテージになります」。今季初優勝が悲願の地元Vということは十分に考えられる。また、同じく地元の菊地絵理香にも注目する。北海道というだけでなく、大会を特別協賛するミネベアミツミに所属するホステスプロというのも、さらにそのモチベーションを高めることにつながる。「北海道の戦い方は、北海道で育った選手がやはりよく知っている。もともとアプローチ技術も高いですし、グリーン周りのラフなどでは地の利が出ると思います」。昨年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」では地元での勝利も飾っている。菊地本人は「所属先というのは、プレッシャーはあります。それを受け入れて、やるしかないですね」と、いかに自然体でプレーできるかをポイントに挙げている。「地元選手がしっかりと大会を盛り上げる」ことに期待しつつも、大西氏はもうひとり選手をピックアップ。それが永井花奈だ。最終的に20位で終わったものの、先週は2日目に単独トップに立つなど状態はよさそう。なによりも、「フェアウェイに置く力に長けている」というもともと持っている特徴も、このコース向き。大西氏は「自然と上位に来るのではないでしょうか」と、東京出身の26歳の活躍もイメージしている。解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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