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優勝賞金5400万円は誰の手に? 申ジエと山下美夢有の女王対決に割って入るのは…岩井明愛か桑木志帆か

<アース・モンダミンカップ 2日目◇23日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6650 ヤード・パー72>総額3億円、優勝5400万円の超高額賞金大会「アース・モンダミンカップ」は予選2日間を終えた。単独首位で決勝に駒を進めたのは、2009年米国女子ツアー女王の申ジエ。2日間トータル11アンダーで、単独2位の岩井明愛とは3打差。決勝の2日間で、さらに差をつけて独走状態に入るのか、それともジエを脅かす選手が出てくるのか、興味は尽きない。

日本の女王は今季4勝を挙げています【写真】

ジエは前週「ニチレイレディス」をスキップし、体調面を整えてきている。「きょうのラウンドは100パーセント。満足です。ショットがよくて、ピンを狙える位置からセカンドショットを打てていました。とても悪いというわけではありませんが、体の状態があまり良くなかったので、コンディションを整えるために一週間過ごしていました。家族との時間も欲しかったので、休んで心もリフレッシュできました」と、体力、気力とも充実していることを明かした。追いかける岩井は、初日6アンダーで首位タイ発進。2日目は2アンダーでトータル8アンダーとしている。スコアを伸ばしきることができなかったことに、「きょうは悔しかったですね。パー5で獲れなかったのが悔しいです。もっと伸ばしたかった」と、悔しさを前面に出した。残り2日間は「(他が)伸ばしてくると思うので、自分がバーディを獲らないと。自分らしいプレーをして頑張りたい」と前を向く。忘れてはいけない存在が、絶対女王の貫禄を見せ始めている山下美夢有。直近6試合で優勝3回、いずれもトップ3に入っている。前週「ニチレイレディス」では今季4勝目を飾っている。この好調の波をどこまで続けられるかに注目が集まっているが、今大会の初日は1アンダーの33位タイと山下らしさが影を潜めた。だが2日目に5つスコアを伸ばし、トータル6アンダー・4位タイまで追い上げてきたところはさすが。「きょうは伸ばせはしましたが、後半チャンスにつけたけどあまり入らなかった。あすからも気は抜けません。まずはフェアウェイキープ」と、とさらに気を引き締めていた。 初日は午後スタートの最終組だった山下。すでに暗くなり始めた頃にホールアウトしたが、アテスト終了後、すぐに向かったのは練習グリーンだった。パットがカップにひと筋嫌われるシーンが多く見られ、「ストロークの確認」に向かったという。雨と日没に近い時間のラウンドでラインが見えにくくなっていたため、決めきれなかった原因がラインにあるのかストロークにあるのかを、すぐさま確認したかったのだ。こういった地味な作業をきっちり続けているからこその、圧倒的強さなのだ。2日目にボギーなしの6バーディで大きくジャンプアップして、4位タイにつける桑木志帆も見逃せない。21年6月の最終プロテストに合格して岩井とは同期。今大会ではブリヂストンのニュードライバー『B-Limited B1 LS』を投入して飛距離を10ヤード伸ばした。「もともと使っていたのが5年前のモデル。スピン量が適正に減って、飛距離が伸びて曲がりも減りました。自信を持って振り切れています」と話し、「ショットでチャンスにつけて、きょうみたいに頑張ります」と意気込んでいる。予選2日間で最もパーセーブ率が悪かったホールが、アウトコースは1番パー5(570ヤード)で「81.5603%」、インコースは10番パー4(399ヤード)で「71.6312%」だった。フェアウェイが狭く絞られ、長く伸びた芝が深いラフを作っている難しいコンディション。ティショットをいかにフェアウェイに置くかが勝負の分かれ目になるのだが、アウト・イン、それぞれのスタートホールのティショットが高額賞金の行方を占うかもしれない。優勝賞金5400万円は、果たして誰が手にするのだろう?(文・河合昌浩)

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