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「無理だろというところから乗せてくる」全米プロ初出場、比嘉一貴が松山英樹との練習ラウンドで感じた“違い”

<全米プロゴルフ選手権 事前情報◇16日◇オークヒルCC(米ニューヨーク州)◇7394ヤード・パー70>先週を米ジョージア州アトランタのブリヂストンセンターで過ごした比嘉一貴は、今季2回目、自身3回目となる海外メジャー大会を迎える。「全米プロ」は初出場。月曜日にアウト9ホールをプレーすると、火曜日は松山英樹とイン9ホールを回ってコースを確認した。

マスターズで撮影した比嘉一貴のドライバースイング【連続写真】

ティショットでは「フェアウェイが狭く感じる。実際に(2打目に)いったらそこまで狭くないけど」と視覚的な狙いづらさを感じたり、「ラフが長い。(フェアウェイは)ランも出るのでキープするのが難しい」というのが第一印象。フェアウェイをヒットしても転がってラフに入ってしまう、なんてことも考えられる。ねちっこいラフは「運次第」。ピンを狙える時もあれば、ホールを横切る小川がそれを阻み、ウェッジで出すだけになることもあるという。同じメジャー大会とはいえ、およそ1カ月前に出場した「マスターズ」とはコースコンディションに違った印象を抱いている。「マスターズは少し(ボールが)沈んではいたけど、基本的にフェアウェイで似たようなライがずっと続くので、アプローチは苦労しなかった」と、イメージのしづらさや打ちにくさは少なかった。だが今週は「硬くて締まったフェアウェイに深いラフ」。バンスが跳ねるような感覚で抜け感がいつもと異なるため、「フェアウェイからも難しい」とその難易度は増しているように感じている。そんななか、松山のテクニックには目を見張った。「それでも関係なくスピンをかけてくるからすごい」とフェアウェイから球を止めるだけでなく、ラフからも「無理だろというところから乗せてくる」と驚く。本人に打ち方を聞いて取り入れようとするが、理解して実践できない難しさもある。「パワーの違いと、(ヘッドを)上から入れたいというのはあるけど、僕の上からと松山さんの上からは違う。参考にはなるけど分からない」。間近で技術を見て、トライするという様子も多く見られた。今季はDPワールド(欧州)ツアーを主戦場にして世界を飛び回っている比嘉。2月の欧州ツアー「ヒーローインディアンオープン」では4位に入るなど、好調な幕開けだったが、直近5戦では連続で予選落ちを喫している。日本で行われた欧州ツアーとの共催大会「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」も週末に進むことはできなかった。「調子は悪くない」とするなかで、「難しいホールでセーブできているけど、チャンスホールで攻めてボギーが多い」とその内容を振り返る。だが、その“攻める”気持ちはこのコースでは命取り。硬くて速いグリーンは元気なラフで囲まれ、チャンスとピンチは紙一重にもなる。まずは「フェアウェイさえキープできればダブルボギーとか大叩きにはならないと思う」と2打目をいい位置から打てるようなマネジメントを心掛け、「外していけないとこにいくと、落ちていって難しくなる。ピンを狙いたいという場面でセンターに乗せられるかが大事」とセッティングの誘いに乗らないように心がけるつもりだ。目標とするのは毎日のアンダーパーの積み重ね。「簡単に言えることには言えるけど難しい、自信はない」と不安も吐露するなか、海外メジャー初めての予選通過、そしてトップ10入りを目指すために、最終調整を行っていく。(文・笠井あかり)

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