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今季初の関西戦、女王が地元でお目覚めか? 勝負師なツインズにも期待【大西翔太のSHOWTIME】

今季初の関西大会。兵庫県で「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」が行われる。埼玉県の石坂ゴルフ倶楽部で行われた昨年大会は上田桃子が“ミセス初V”でツアー通算17勝目を遂げたが、はたして今週はどんな選手が躍動するのか。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏がトーナメント現場から見どころを紹介する。

川崎春花がボードからひょっこり…【大会写真】

昨年は埼玉県・石坂ゴルフ倶楽部で行われたが、今年は例年通り、兵庫県の花屋敷ゴルフ倶楽部 よかわコースで開催される。2年ぶりとなるが、コースのイメージは変わらないと大西氏は語る。「大会期間中に雨が降る予報もありますが、フェアウェイは柔らかくなってもグリーンは硬いです。さらにそのグリーンは砲台で、手前にキャリーしたら戻ってきちゃうほど。さらには打ち上げで、グリーン面が見えないホールが多いです」。手前に落としたら戻されてしまうが、コンパクションが硬いグリーンのため、キャリーでピタッと止まりづらく、ある程度のランが出てしまうという。その難しさに加え、グリーン面が見えないことから打ち出すイメージも湧きづらい。「冗談ぽく思われるかもしれませんが、“心の目”でグリーンを見ることができる選手が強いです。つまり、見えない落としどころにイメージが持てて、さらにはそこからのランも考えられるような選手が上位に来るでしょう」。歴代優勝者の顔ぶれを見ても、飛ばし屋というよりは、稲見萌寧(21年)や申ジエ(19年)といったショットメーカーが並んでいる。“心の目”をもってイメージ通りのショットを繰り出せるということは、調子がかなりいいということ。今大会は真の実力が結果にそのまま表れると説明し、「この順位によって今季の調子の良さが分かってくるでしょう」と話す。今季初の関西戦は、今シーズン全体をも占う一戦になりそうだ。そのなかでピックアップするのは、昨季史上最年少で年間女王に輝いた山下美夢有。前週の「ヤマハレディースオープン葛城」は1打及ばずに惜しくもプレーオフ進出を逃したが、単独3位でフィニッシュ。開幕戦から右肩上がりに順位を上げてきている。青木とはヤマハレディースオープン葛城で予選2日間を同組でプレーしたが、大西氏は山下の様子を間近で見て「ピンにしか飛んでいかなかった」とそのショット力を絶賛する。「打ち出し角、ランディングアングル、全部が見えているようで、まるで“アーティスト”でした。自分のイメージがしっかりとできているようにみえます。関西の試合は地元でもあるので、ヤマハの悔しさもしっかりバネにしてくるのではないでしょうか」と、調子の良さに加え、地元からの声援が力強い後押しになると話す。さらに、プロ本格参戦2年目を迎えた岩井明愛(あきえ)・千怜(ちさと)ツインズの名前も挙げた。「練習風景を見ると、調子が良さそうに感じます。ロフト通りの高い球が打てていて、あおっている感じもなければ、体の正面でしっかりと打てています。ふたりとも勝負師。常にゴルフのことを考えて、一打に向き合っている気持ちが伝わってきます」と期待を込める。さらには、“知らないこと”がプラスになることもあると大西氏は付け加える。「多くの選手たちがグリーンが硬くなっていて『難しい』と話しているのが聞こえてきます。コースを知りすぎてイメージが出ないなんてこともありますが、昨年石坂GCでの試合に出場していたふたりにとっては、むしろ新鮮味があって取り組みやすいのではないでしょうか」。千怜のツアー3勝目はもちろんのこと、明愛についても「初優勝もあるのではないでしょうか?」とうれしいツアー初Vも大胆に予想する。解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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