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23年マスターズは「LIVゴルフ」選手も招待、オーガスタが発表 しかし今後は…

現地時間20日、「マスターズ」を主催するオーガスタ・ナショナルGCは、2023年大会は「現行の出場資格を維持し招待する」と発表。これにより来年は「LIVゴルフ」に参戦している選手も出場できることが明らかになった。

米PGAツアーは、22年6月に開幕したサウジアラビアの政府系ファンドが巨額のオイルマネーで支援する「LIVゴルフ」に参戦する選手を出場停止にする措置を敢行。双方が訴訟を起こす対立が続いている中、メジャー大会出場の可否に注目が集まっていた。

オーガスタ・ナショナルGCのフレッド・リドリー会長はこれについて声明を発表した。

「1934年の発足以来、マスターズ・トーナメントは毎年4月、世界をリードするゴルファーがグリーンジャケットを目指し戦い、歴史的な場所としてゴルフの発展に成果をあげてきた。伝説のチャンピオン、ジーン・サラゼン、バイロン・ネルソン、ベン・ホーガン、サム・スニード、アーノルド・パーマー、ゲーリー・プレーヤー、トム・ワトソン、ジャック・ニクラス、そしてタイガー・ウッズらが勝利し、すべての年齢のゴルフファンの英雄となった。そして多くのすばらしい選手が彼らの足跡を追いかけ、また多くの人々がゴルフというゲームを楽しんでいる」

ゴルフの祭典として長く親しまれてきたマスターズだが、リドリー会長はじめオーガスタはいまの状況を憂慮していた。「しかし非常に遺憾なことに、昨今の出来事はゴルフの美徳と彼らが築いた大切な伝統を軽んじ、男子ゴルフ界を二分している。われわれはこの事態に大変失望しているが、来る4月は例年と同様に卓越したゴルファーが出場する大会とすることに集中する。従って、現行の出場資格を満たしている選手に、2023年マスターズ・トーナメントへの招待状を今週発送する」とリドリー会長は発表した。

これにより現在「LIVゴルフ」に参戦する歴代優勝者のフィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソン、パトリック・リード、バッバ・ワトソン(いずれも米国)、セルヒオ・ガルシア(スペイン)、チャール・シュワーツェル(南アフリカ)の6名に加え、22年「全英オープン」覇者のキャメロン・スミス(オーストラリア)、20年「全米オープン」覇者のブライソン・デシャンボー(米国)、19年「全米プロゴルフ選手権」覇者のブルックス・ケプカ(米国)、また8月に終了したPGAツアーのフェデックスカップランキング上位30位に入ったテーラー・グーチ(米国)、ホアキン・ニーマン(チリ)、そして12月末の世界ランキング50位内に入りそうなエイブラハム・アンサー(メキシコ)、ハロルド・バーナーIII、ジェイソン・コクラック、ケビン・ナ(いずれも米国)、ルイ・ウーストハウゼン(南アフリカ)ら総勢16名のLIV選手が招待状を受けとることになりそうだ。

しかしこの後のリドリー会長の文面は…。

「これまでにも言ってきたように、毎年トーナメントをあらゆる角度から観察している。将来の大会における招待基準の修正、変更については4月に発表する。われわれのスポーツは歴史的転換期に到達した。オーガスタ・ナショナルGCはゴルフに信念を持って何年もの間、挑戦をしてきた。それは再び続けられる。」と綴られ、24年以降、招待資格の変更の可能性を大きく示唆した。発表は来年4月、マスターズ週と見られる。(文・武川玲子=米国在住)

<ゴルフ情報ALBA.Net>