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「かなりうねうねしたグリーン」で渋野日向子が魅せたコロがす“絶品アプローチ”

<JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 2日目◇25日◇宮崎カントリークラブ(宮崎県)◇6487ヤード・パー72>

「情けないスタート」と序盤に3つのボギーが先行するも、中盤のバーティラッシュでイーブンパー。2019年が2位タイ、20年が3位タイと出場のたびに活躍をみせていた大会で、渋野日向子はトータル3アンダー・17位タイで4日間の折り返しを迎える。

渋野日向子の寄せを撮影!転がしアプローチと上げるアプローチの違いを検証【動画】

ティショットを右のラフにはずし、手前15メートルから3パットのボギー発進。3番も右ラフからグリーン手前のバンカーにつかまり寄らず入らず、6番では手前からのアプローチが2メートルオーバーして「ズルズル」引きずってしまった。特に、この宮崎カントリークラブはアプローチがポイントに挙げられる。例年より長く伸びているティフトン芝のラフに、グリーンは今季わずか3試合しかないコーライ芝。「場所によっては難しい」と、グリーン周りに“要警戒”を示していた。

6番はフェアウェイから残り91ヤードの2打目をグリーン手前にショートすると、続く3打目のアプローチは「ボール自体はエッジの刈り込んだところにあるけど後ろはティフトンで長い」というさらに難易度が高いシチュエーション。54度のウェッジで転がしたものの、2.5メートルオーバーしてボギー。「宮崎カントリークラブのグリーン周りの難しさはさすがだな」と、ここでトータルイーブンパーまで後退した。

スタート時から3つ落としたが、続く7番で2打目を手前3メートルにつけてバーディとすると、9番パー5で2オンに成功してイーグルトライからのバーディ。さらに10番でも3メートルにつけて伸ばし、ここでプラスマイナスゼロに。ようやく“笑顔”を見せて、スコアを落とさずに、なんとか一日を切り抜けた。

6番では苦しんだアプローチだが、後半は幾度となく技術を見せる。13番パー5では2打目を手前のラフまで運んだが、寄せたいアプローチは「かなりうねうねしたグリーン」。残り25ヤードほどで距離は長くはないものの、左にマウンドがあって上って下るような難しいラインが残った。キャリーを出してそのマウンドを超えて止めるという選択肢もあったが、渋野が選んだのは「転がしていろんな山を使いつつカップに寄せる」という方法。その言葉通り、手前1メートルにピタリと寄せることに成功した。惜しくも続くパットは「わたしのミス、ちょっと引っかけた」とカップ左フチに蹴られてバーディとはならなかったが、“寄せ”に関してはいいイメージを残した。

さらに、終盤ではショットが乱れ始め、15番ではラフからの2打目がグリーンをオーバー。15ヤードほどの奥からのアプローチが残ってしまった。だが、「マシなライ、特に嫌がるミスでもなかった」と転がして80センチに寄せてパー。最終18番ではピンに近いショートサイドからのアプローチが残ったが、次はふわりと上げる球で1.5メートルにつけてパーで切り抜けた。

ウェッジでのショットに関しては「チャンスにつけられていない」とタテ距離の修正を課題に挙げたが、コース攻略のカギともいえるグリーン周りのアプローチについてはいいイメージを持てているともいえる。この“絶品”アプローチでピンチをしのぎつつ、3日目はバーディ量産といきたいところだ。(文・笠井あかり)

<ゴルフ情報ALBA.Net>