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藤田さいきが亡きキャディ、夫に捧げる11年ぶりV 「優勝をみせることができてよかった」

<大王製紙エリエールレディス 最終日◇20日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>

最終18番。藤田さいきはおよそ1.5メートルのウィニングパットを決めると、一歩踏み出してその場にしゃがみ込んだ。大粒の涙を流しながら両手でガッツポーズしたこの勝利は、11年35日ぶり。鈴木愛とのデッドヒートを制し、2011年の「富士通レディース」以来となる通算6勝目を飾った。

ウイニングパットを決めて座り込んだ藤田さいき【大会LIVEフォト】

鈴木がトータル18アンダー、藤田がトータル17アンダーで迎えた最終日。3位タイにつけていた岩井明愛、リ・ハナ(韓国)はトータル11アンダーと差がついており、優勝争いは“一騎打ち”の様相を呈していた。藤田は前半で2つ伸ばすと、13番のバーディで鈴木をかわして単独首位に浮上。15番では互いにバーディを奪い、最後まで藤田が1打のリードを守った。

グリーン脇では原英莉花、横峯さくららが涙を流して戦況を見守り、順番にハグ。クラブハウスでは上田桃子や菊地絵理香らともハグで喜びを共有した。

優勝スピーチでは、「伝えたいことがたくさんありすぎて、ここでは伝えきれないです。みなさんに支えられてここまで来られたことに、本当に感謝したいです」と藤田。そして「最終戦までキャディをしてくださる予定だった方が亡くなって、4月のフジサンケイレディスでもホールインワンを一緒に達成して、これからだと思っていました。どうしても彼のためにも優勝したいと思っていたので、それをみせることができてよかった。ここまでずっと支えてくれた旦那さんに感謝したいと思います」と話し、加えて「ずっと一緒に戦ってくれる上田桃子選手にも、毎回毎回感謝しています」とイーグル賞を受賞して一緒に表彰式に登壇した上田にも感謝の言葉を送った。

今季は「フジサンケイレディス」、「リシャール・ミル ヨネックスレディス」、「宮里藍サントリーレディス」と2位が3回。優勝争いを演じながら勝利を掴めなかったが、トップ10入りは6回を数えて大会開幕前のメルセデス・ランキングは13位。8月には「AIG女子オープン」(全英)で自身初となる海外メジャー出場も経験。プロ17年目のベテランながら“キャリアハイ”に近いシーズンを送っていた。

この最終日は4バーディ・ボギーフリーの「67」でプレー。トータル21アンダーの「263」ストロークは、パー71での4日間最少ストロークを4打更新するツアー新記録。そして、11年35日ぶりの“ブランク”優勝は、3週間前に記録を塗り替えた金田久美子の11年189日に次ぐ、歴代2位の記録となった。

<ゴルフ情報ALBA.Net>