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今季2人目の11年ぶり優勝者誕生なるか 藤田さいきは最難関ホールでミラクルバーディ

<大王製紙エリエールレディス 3日目◇19日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>

10月末に行われた「樋口久子 三菱電機レディス」で金田久美子がツアー史上最長ブランク(1988年以降)となる11年189日ぶりの優勝を決めたが、その3戦後の今大会でも記録更新はならないものの11年35日ぶりの優勝が見えてきた。2011年の「富士通レディース」以来、勝ち星から遠ざかっている藤田さいきが、首位と1打差の2位タイをキープして最終日に進む。

36歳、飛ばします 藤田さいきのドライバースイング【動画】

2位タイから出た藤田は2番で5メートルを沈めて幸先よくスコアを伸ばすと、3番では10ヤードのアプローチを沈めてチップイン・バーディ。そうして迎えた5番ホールだった。

このホールは19年大会までパー5として施行されていたホールを、20年大会からパー4に変更。450ヤードとパー4としてはツアーで7番目の距離を誇り、しかもセカンド地点からはグリーンが見えないほど打ち上げとなる。ツアー屈指の難易度を誇る名物ホールは当然、この3日間すべての日で難易度1位(3日間トータルの平均ストロークは4.3934)だ。しかも右手前に切られた今日のピンは傾斜地にあり、アプローチ、パターがひとたび外れれば傾斜で下っていくような位置に切られていた。

藤田自身ピンポジションを見た瞬間、「どうやってバーディを獲るの?」と思ったホールだった。だが、ティショットをフェアウェイに置くと残り170ヤードから6番アイアンでの2打目はエッジに着弾すると一気に転がりカップ50センチにピタリ。大歓声を引き出すと、少し待ち時間のあったこのパットをしっかりと沈めて、この日、2人しかいない最難関ホールでバーディを奪った。

この一打で勢いはさらに加速。同組の鈴木愛とのマッチレースも「ほんとに彼女が良いゴルフをしていたので、つられて良いゴルフになっているのかな」と好材料にしてトータル17アンダーまで伸ばし、頂点の見える位置で最終日へと向かう。

気が付けば36歳。「スタミナ的には限界に近い」と4日間大会は体力も奪われる年齢となった。第4ラウンドの平均ストロークは「73」で67位、各ラウンドで唯一オーバーパーとなっている。それでも今週は「体と相談しながらやってはいるので、比較的あと1日は持つのかなと思います」とペース配分をしっかりとできている状態なのは心強い。

今回優勝となれば歴代2位の“ブランク”優勝。3週前に記録を塗り替えた金田の勝利に「あきらめていたつもりはないですが、またあきらめないで頑張ろうと思いました」と刺激を受けて、鬼門の最終日を乗り越える。(文・秋田義和)

<ゴルフ情報ALBA.Net>