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最長シード保持者が窮地 勝利しか許されない状況に「こんなに長くできると思っていなかった」

<大王製紙エリエールレディス 事前情報◇16日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71>

これまで20シーズン連続でシード権を保持してきた李知姫(韓国)が窮地に立たされている。現在メルセデスランキングは80位。逆転シード(50位以内)へは優勝しかないという状況で大一番を迎えた。

知姫が初シードを獲得したのは2001シーズン。今年の年間女王・山下美夢有が誕生した年に初シードを獲得すると、以降も常に上位でプレーしてシードを守り続けてきた。もちろん、現シード選手では最長だ。

だが、今年は昨年に発症した左足痛の影響もあり、初戦から予選落ちが続く苦しい戦いに。ようやくトップ10に入ることができたのは前週の「伊藤園レディス」だった。

そんなシーズンを知姫はこう振り返る。「いつもオフの貯金でやっていたのが、オフにケガで練習できなくて、それで試合の感覚がうまくつかめなかった。今年はなかなか調子が上げられなかった。特にメンタル的にやられましたね。スイングも悩みすぎて悪循環になっていたと思う。改めてゴルフはメンタルのスポーツだなぁと思いました」としみじみ。

一方で「こんなに長くできると思っていなかった」という思いも。「ここ数年、年明けに“あと何年できるかなぁ”と思ってやっていました。ここまで長くできたのは運が良かった。特に大きなケガがなかったのが大きいですね」。ケガをして改めて五体満足でできていたことのすばらしさを感じている。

それだけに、この後のことは“白紙”だという。「もし(シード入りが)ダメだったとしても、終わってから考えようと思います」。まずは目の前のことに集中する。

2001年に初優勝を挙げたのがこの大会。しかも、会場はここエリエールゴルフクラブ松山だった。そんな思い出の舞台で始まる決戦。「先週良かったし、調子も上がっています。その面では自信がありますよ」。覚悟を決めた43歳。勝負の4日間が始まる。(文・秋田義和)

<ゴルフ情報ALBA.Net>