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ハートは燃えているか 伊藤園レディスに強い選手には特徴がある【大西翔太の大展望】

いよいよ国内女子ツアーも残り3試合。今週はグレートアイランド倶楽部で「伊藤園レディス」が行われる。今年8試合目にして最後となる千葉県の戦いを制するのは誰なのか。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が展望を語る。

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■上位に来る共通点はイメージとハートの強さ

今大会の特徴は何と言っても複数回勝っている選手が多いこと。グレートアイランド倶楽部に移った1994年からは不動裕理が4勝、イ・ボミ(韓国)、ローラ・デービース(イングランド)が3勝と得意とした選手が何度も勝つ傾向にある。

「距離は長くないですし、飛ばし屋が有利なコースではありません。グリーンもきれいでそこまで硬くないのでピンをデッドに狙っていける精度と強い気持ちを持っている選手が強い。何よりも“いいイメージ”を持っていることが重要です。得意、不得意がハッキリと出るコース。得意な人はガンガン伸ばしていきますが、そうでないとなかなか厳しい戦いとなります」(大西氏)

また、終盤戦とあってメンタル面が非常に重要だ。「この試合で上位に来るのは気持ちを切らさずやっている人たちだけです。シードが決まり、最終戦が決まり、オフが目前と迫り…。気持ちがたるみやすい時期。でも、引き締めて甘さを捨ててやっている人だけです」。満足することなく勝利を目指すものだけがタイトルを得られるのだ。

■ひと際気合いの入るボス 忘れ物を今年こそ

「頑張ります」という思いとともに、一番の注目選手として挙げたのは大西氏自身のボスでもある青木。15年に2位、18年に4位、昨年大会でも8位と今大会とは相性がいい。

「初めてちゃんとした優勝争いをした大会で、青木さん自身“今でも鮮明に覚えている”と言っています。だから、例年、1か月ほど前からこの試合にピークを持っていきますし、今大会にかける意気込みもすごい」

青木は今年「資生堂レディス」で優勝した際「今年こそ複数回優勝したい」と熱い思いを語ったが、いまだ2勝目を挙げることはできていない。「獲れなかったものを獲りに行く気持ち、この試合を逃したら複数回は難しい、と僕も気合いが入っています。今年こそ勝ちたいですね」と強い思いを語った。

■リベンジと今季初優勝

同じ熱い思いを持っている、と大西氏がつぎに挙げたのが上田桃子。昨年大会では稲見萌寧に大差をつけられて4位、前週の米国女子ツアーとしても行われた「TOTOジャパンクラシック」では最終日に首位から出ながらも涙をのんだ。

「19年の9位、17年の3位だったり上田さんもこの大会では上位にいるイメージが強いです。リベンジの思いはとても強いでしょうし、先週から入れたドライバーの新シャフトも非常に相性がよさそうです。気持ちが切れていない人、強い人と言えばこの人です」

もう一人、「勝ちたい思いはトップクラスだと思います」と語るのが、上田と同門の吉田優利。「今年は2度プレーオフで負けた以外にも、何度も優勝争いをしながらもあと一歩届いていません。それでも懸命に取り組んでいる姿はずっと見てきました。きょうも黙々と練習グリーンで球を転がしている姿が印象的でした。地元ですし、今年最後の千葉県の試合。絶対勝ってやる、と思っていると思いますよ」と期待を寄せた。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

<ゴルフ情報ALBA.Net>