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「世界は広いな」 馬場咲希が今後に生かす“タイの思い出”

<伊藤園レディス 事前情報◇10日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>

6日(日)までタイで行われていた「アジアパシフィック女子アマ選手権」に出場したアマチュアの馬場咲希(代々木高2年)が、帰国後すぐに今週のプロトーナメントに臨む。「プロの試合に出られるよろこびを再確認できた。今回はとにかく楽しんで、結果もあまり気にせずラウンドできたら」と、異国での経験も生かし、無駄な力を抜いて戦っていく。

最終的に6位で終えたタイの試合では、「世界は広いな」ということを痛感した。特に一番印象に残ったのは、予選ラウンドをともにしたナタクリッタ・ボンタベーラプ(タイ)の存在。大会中から“飛距離300ヤード”を誇るこの選手は話題にもなったが、間近で体感した馬場にとって、日が経ってもその衝撃が色あせることはない。

「風とか関係なく297ヤードの位置のバンカーをキャリーで越えたり、315ヤードの木の目の前まで行ったり…。すごすぎてヤーデージブックでもう1回飛距離を確認したくらい(笑)。観客みたいになって、『おー、すごいあそこまで行ってる』とか。毎ショット、ビックリして刺激になりました」

飛距離270ヤードを誇る“日本屈指の飛ばし屋”馬場でさえ、40ヤード置いていかれることも。「(ボンタベーラプの)5番ウッドと(馬場のドライバーが)同じくらいでした」。日本では味わえないできごとに、目も丸くなった。

また、冒頭の“結果をあまり気にせず”という言葉にもつながる経験もしてきた。「73」、「70」、「73」と調子が上がらなかった3日間は、特にパターで苦しんだ。「ショートパットの時に考え過ぎていた」。こんな心境のなか外し、それがさらにプレッシャーをかける、という悪循環にも陥った。だが最終日にキャディを務めた父・哲也さんの『外してもいいから思ったところに打つだけ』という言葉で、フッと心が軽くなったという。すると最終日には「66」を記録。自分のゴルフを貫くことの大事さを知ることもできたようだ。

そうして迎える千葉での試合は、今季7試合目のプロトーナメント出場となる。「マスターズGCレディース」の予選落ちなどもあり、「最近はすごく自信をなくしてしまっていた」というが、タイでの“刺激”と“気づき”の4日間がそんな思いも払拭する。来週の「大王製紙エリエールレディス」も出場予定で、今年も残り2試合。「全力で頑張りたい」と気持ちも新たに、「全米女子アマ」を制するなど激動だった2022年をいい形で締めくくる。(文・間宮輝憲)

<ゴルフ情報ALBA.Net>