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仲間たちから届く『感動』の声に「私でも勇気づけられた…うれしい」 金田久美子が“ブランクなし”の3勝目へ

<伊藤園レディス 事前情報◇10日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>

2週前の「樋口久子 三菱電機レディス」で、11年ぶりとなるツアー優勝を手にした金田久美子。先週は「TOTOジャパンクラシック」への出場権がなかったため、「普通に1週間を過ごしました」と話して笑うが、周囲からの祝福の声や反響によって心身ともに充実のオープンウイークになったようだ。

涙の2勝目を挙げた直後から、スマートフォンは鳴りやまない状況に。LINEには「600〜700通くらい」、インスタグラムのコメント欄には「初めて読み切れない。わけが分からない」ほどのメッセージが届いた。試合後、会場の埼玉から地元の愛知まで帰る車中で過ごした4時間のうちほとんどを、その返信に費やすことになったが、心地よい疲れだったことは表情を見てもうかがえる。

TOTOを戦ったなかにも、「感動しました。私も諦めたらいけないと思いました。彼女の優勝はいろんな人に勇気を与えた」(藤田さいき)、「11年ブランクがあっても勝てることを示してくれた。私も努力すれば勝てると思えた試合でした」(鈴木愛)など、その姿への感銘を口にした選手は多かった。

これには金田もニコリ。「メッセージとかでも、自分も頑張ろうと思った、という内容がすごく多くて。私でも人に感動を与えられたり、勇気づけられると思うとすごくうれしかったです」。同じコースで戦ってきた仲間たちの励みになれたことに対して、ことさら特別な感情も湧いてくる。

79歳の父・弘吉さんは高齢ということもあり、娘のひさしぶりの勝利を会場で見届けることはできなかった。ただ金田は、この勝利で出場権を手にした今季最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」での観戦を“おねだり”。その思いに応えるべく、父がスクワットなどに取り組んでいるという報告もうれしい。

「自分でもできるんだと思った。…でも、会場に入ったら今までの自分だな」という“らしい”言葉も忘れない。ただ「こんなにも応援してもらっていたんだなという実感がすごくありました」と、喜びで胸いっぱいのなか新たな大会を迎えることができる。「2勝目のように長くかかりたくない。一から気を引き締めたいです」。次の優勝は、“ブランクなし”ですぐに手に入れるつもりだ。(文・間宮輝憲)

<ゴルフ情報ALBA.Net>