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「あ、入れなきゃだめだ」明暗分けた17番 勝みなみが大会連覇

<日本女子オープンゴルフ選手権 最終日◇2日◇紫カントリークラブ すみれコース(千葉県)◇6839ヤード・パー72>

「めちゃくちゃうれしいです。信じられない。新鮮な気持ちで優勝をよろこんでいます」。3打差3位タイからスタートした勝みなみが、6バーディ・2ボギーの「68」で回り、トータル3アンダーで大会連覇を飾った。

3番で2打目を横1.5メートルにつけてバーディを先行させると、5番でもバーディ、7番からは3連続バーディを奪取。この3日間は“我慢比べ”でスコアを伸ばすことができなかったが、最終日、前半からそのうっぷんを爆発させる形になった。「3連続バーディで『きょうはノッてるな』って」。カラーから7メートルのパーパットを残してピンチにした10番も、カップにボールをねじ込ませ、高々とガッツポーズ。気を緩めることはなかった。

13番、14番と連続ボギーにしたが「このコースでボギーを打たずにラウンドすることの方が難しい」とある程度は“想定内”。逆に「それまでにスコアを貯金できればと思って臨んでいた」と、最初のスタートダッシュの勢いを守り切り、17番では明暗を分ける“値千金”のバーディを奪った。

残り160ヤードだった17番セカンドショット。この日の全体のパーオン率は18.8525%で、2番目に難しいホールだった。「本当なら7番アイアンの距離だったけど、アゲンストで風もけっこう強い。だから6番アイアンを握りたかったけど、それで風の下を通った場合奥に消えちゃうと思ったので、7番アイアンを握って手前から。2パットでもいいという気持ちで打ちました」。決して一か八かではなく緻密なマネジメントでクラブをチョイス。結果、それが横2メートルにつけるナイスショットにつながった。

「お願いだからパーで終わってくれ」とさえ思っていた17番。だが、そのときリーダーボードが目に入り「あ、入れなきゃだめだ」。力強いガッツポーズとともに決めきると、最終組で回っていた申ジエがボギー。これで頭ひとつ抜け出した。

今季開幕前に掲げた目標「年間3勝、メジャー2勝目」の達成まであと1勝。「いまのところ順調に来ているので、あと1勝、必ずどこかで」と語気を強める。今季シーズン終了後には米ツアー参戦をかけた予選会に挑戦することも決めている。「本当に簡単ではないと思いますが、チャレンジャーのつもりで行ってこようと思います」。12月の大舞台に向けて、今シーズン残りはあと8試合。“日本一の女子ゴルファー”は、最後の仕上げに入っていく。(文・笠井あかり)

<ゴルフ情報ALBA.Net>