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5年ぶりのホステス優勝が見える! “硬速”を攻略できるダンロップ3人娘に期待大【大西翔太の大展望】

19歳の連勝が続いている国内女子ツアーは唯一の東北決戦「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」。国内メジャー「日本女子オープン」の前哨戦ともいえる戦いを制するのは誰なのか。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が展望を語る。

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■急な気温差に要注意

舞台となる利府ゴルフ倶楽部は9月に行われる大会の中では距離が短め。今年はさらに「3番と9番のティが前に出ているなど去年よりも短くなっていますね」と総距離は100ヤードも短縮された。それを踏まえても、大西氏も飛ばし屋が有利となる可能性は低いという。

「フェアウェイは絞っていますが、ラフもそこまで長くない。ですが、例年ほどじゃないにしてもグリーンは硬くて速く仕上がっているので、フェアウェイから攻めていきたいところ。飛距離よりもグリーンで止める技術が求められます。歴代優勝者を見ても西村優菜さん、大江香織さん、酒井美紀さんとフェアウェイをキープする選手が多いですからね」

加えて、今年は東北らしい寒さが襲いそうだ。初日、2日目は雨模様、そして初日の最高気温は23度までしか上がらず例年の暑さ残る戦いとは一線を画す。試合前日のプロアマもコースにいる選手たちが口をそろえて「寒い」というなかで行われた。「この寒さへの対応力も大事になりますね。ウェアをこまめに着脱して体温調節する、厚着でも変わらないスイングをする、といった力も必要です」と一気に季節が変わった杜の都らしい戦いに順応できるかもカギだ。

■寒さ、ショット力…ホステス優勝が見えてきました

大会名にもある通り今大会は住友ゴム工業株式会社が特別協賛。それだけにボール使用だけでなくクラブ使用に絞ってもホステスプロが多数いる。だが、2017年の畑岡奈紗を最後にホステスの優勝者は出ていない。だからこそ、大西氏は「今年こそ」と期待する。

なかでも最初に名前を挙げたのは小祝さくら。「いまはフェードを主体としていてグリーンで止まるボールを打てていると思います。新しいクラブも合っていそうですし、元々ドライバーのうまい選手。そして暑さに強いとさんざん言ってきましたが、北海道出身ですから当然寒さにも強い。筆頭といってもいいのではないでしょうか」。もちろん、小祝らしくホステス大会でも気負いすぎることもない。そんな精神面も高ポイントだ。

■グリーンで止められる…“硬速”メジャーで競り合った2人も注目

今年、硬くて速いグリーンだった大会といえばメジャーの「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」。そこで優勝争いを演じた2人にも注目してほしいという。

「優勝した山下美夢有さんはカットボールを打って硬いグリーンで止められる。一方、青木瀬令奈さんは高い“パラシュート”のような球で止められる選手。グリーンにアンジュレーションがあって落としどころが大事な今大会ではそれがより生きてきます。そして、2人ともお世話になっているダンロップの大会で気合も入っています。その思いも寒さ、雨のなかでのメンタル面にいい方向に左右するのではないでしょうか」

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

<ゴルフ情報ALBA.Net>