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西郷真央と古江彩佳の海外帰国組ふたりが北海道の洋芝を攻略?【大西翔太の展望】

<ニッポンハムレディスクラシック 事前情報◇6日◇桂ゴルフ倶楽部(北海道)◇6763ヤード・パー72>

国内女子ツアーは灼熱の関東から北海道に開催地を移し、きょう7日から4日間の日程で行われる。注目は今シーズン国内初参戦となる古江彩佳と、米メジャーに参戦し7週ぶりに国内戦に復帰する西郷真央のふたり。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が展望を語る。

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■フェアウェイもラフも、洋芝に要注意

「開催コースの桂ゴルフ倶楽部は、きれいな絨毯が敷きつめられたように緑の絨毯が広がっています。その緑は北海道のコースならではの洋芝。フェアウェイが硬く締まっていることと、ラフに要注意です」と大西氏。

前週、前々週に比較すると短いラフだが、洋芝の特徴でボールが入るとスッポリ隠れてしまう。そして硬いフェアウェイは洋芝とはいえ、深くターフをとるのではなく、サラッと薄く芝をとるイメージでいかなくてはならないという。

「短いラフですがボールはスッポリと沈みます。こうなるとボールが思った以上に飛んでしまったり、逆に飛ばなかったりしてしまう。グリーンも硬く締まっており、通常でランが2〜3ヤードのボールが、7〜8ヤード転がってしまう印象です」

芝がボールとフェースの間に挟まると、スピンがかからず想定外の飛びになる。洋芝特有の水分を含んだ強い芝は、ヘッドに絡まり飛距離を殺してしまう。

「とにかくティショットはフェアウェイをキープ、そしてパーオン率を上げていくことが要求されるでしょう。グリーン周りの洋芝はアプローチを難しくさせます。スイングスピードがゆっくりになるアプローチでは、芝が絡んで振り抜きにくくなるうえ、フェースがボールの下をくぐってポッコンのミスも出やすいので要注意です」

また、早朝のスタート組は、こんな注意点も。「洋芝は野芝やコーライ芝よりも、朝露が多く出ている」と、大西氏は話す。

■注目はやはり、海外帰国のふたり

国内戦は7週ぶりの出場。米メジャー2試合に出場し「全米女子オープン」では44位タイ、「KPMG女子PGA選手権」は30位タイという成績を残した西郷真央の名前を、活躍しそうな選手として大西氏はまっ先に挙げる。

「西郷さんはショットの精度がピカイチ。“ロングアイアンでもピンをデッドに攻める自信がある”と本人も言っています。球の高さも、止める技術もあって、初めての米メジャーでも、海外で通用するポテンシャルを見せてくれました。いまはショットの精度が今ひとつと本人は言っていたようですが、しっかりと調整をしてくるタイプ。フェアウェイの芝はサラッと振っていきたいとコメントしていたとも聞きました。準備は万全なのではないでしょうか」

そしてもうひとり、今シーズン国内初参戦の古江彩佳の名前も挙げる。

「古江さんはいつだって無理に振っていかないスゴさがあります。例えば8番アイアンでフルに振っていく距離を、7番アイアンでコントロールするといった具合です。メンタルは常に落ち着いていてクール。ショット前の準備を怠らないので、自信を持って打っている印象です。米ツアーで学び、習得したことを今大会では披露してくれるでしょう」

■酷暑の前週で優勝した青木瀬令奈の2週連続はあるのか?

自らがキャディ兼コーチを務めているため、手前味噌になるようで言いにくそうではあったが、青木瀬令奈についても聞いた。

「いまはパッティングが冴えています。10メートル超のロングパットも、ことごとくカップをかすめていきます。とにかく気持ちでプレーをするタイプなので、調子がいいのは大きなアドバンテージだと思います。2週連続? あるかもしれません」

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

<ゴルフ情報ALBA.Net>