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梅雨明けの戸塚は夏女の出番 道産子が涼しげにスコアを伸ばす【大西翔太の大展望】

<資生堂レディスオープン 事前情報◇29日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6570ヤード・パー72>

千葉での連戦を終えた国内女子ツアーは神奈川へ。今週はかつて日本オープンも行われた名門・戸塚カントリー倶楽部で「資生堂レディス」が行われる。年間で唯一の4日間大会3連戦の2試合目を制するのは誰なのか。青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が展望を語る。

小祝さくらの暑さ対策は…【写真】

■大会始まってから初めての天気

今年で3回目を迎える今大会だが、例年は梅雨とあって悪天候に見舞われることが多く、昨年に至っては初日、2日目が中止となり異例の2日間大会となった。だが、今年は過去最速で関東は梅雨明け。晴天どころか、連日30度を超える酷暑が予想される。指定練習日、そしてプロアマも30度を超えとなり、大西氏も「選手ですらも、むしろ風が吹いてほしいと思うのではないでしょうか」という環境だ。

だからこそ、まずはコース云々よりも暑さに強いことが上位にくる最低条件となる。「体調が悪くなっては話になりません。暑さのなかでもしっかりご飯を食べられること。自分の体力に合わせた練習にすること。経験が大きいですが、こういったことができるかがカギとなりそうです」。炎天下の中でいかに自分の力を発揮できるか。集中力を保てるか。それが大事となる。

コースに関しては「ラフも長くなく、グリーンもそこまで速くない」と評するが、そこは井上誠一設計の舞台。「グリーンの傾斜は強いですし、外しちゃいけないところもやはりあります。総合力はもちろん、冷静にジャッジできるかどうかは非常に大事」と集中力を欠けば名匠のワナが牙を向く。

■夏女の出番です

それを踏まえて大西氏が優勝候補に挙げるのが小祝さくら。持ち前のショット力をはじめとする総合力は言わずもがなだが、夏のトーナメントに強いのも特長だ。「暑さは嫌い」と言ってはばからない道産子は、初優勝した2019年7月の「サマンサタバサ レディース」を皮切りに、7勝のうち4勝は暑い時期のもの。高校3年生のアマチュア時代に8位に入り、その名をゴルフ界に知らしめた「ニッポンハムレディス」も7月。17年のプロテスト合格も、直後にトップ10に入った「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」は8月だ。

「小祝さんは体力がありますし、夏の暑い時期でも冷静さを失っていない印象があります。集中力もありますし、もちろん、風への対応も苦にしない」。周囲から夏場でも食欲が落ちないと呼ばれる24歳は、猛暑日でも強さを発揮しそうだ。

■変化のあとには進化

次に名前を挙げたのが昨年大会覇者の鈴木愛。優勝できない時期が続きゴルフを嫌になった時期を乗り越えての優勝は、多くの感動を誘った。

「2日間大会も天候も全く違いますが、やはりいいイメージは残っていると思います。加えて自分を変化させてくれた大会。変化の後には進化があります。何か今年もやってくれそうな雰囲気がありますね」

そして最後に名前を挙げたのが、28日付の世界ランキングで50位以内に入り海外メジャー2試合への切符をつかんだ西村優菜。「勢いという意味ではナンバーワンです。もちろん、総合力もトップクラス。必ずしも飛距離がいるコースではないですから、フランスへの手土産として2勝目を挙げる可能性は十分にあると思いますよ」と期待を込めた。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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