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＜宮里藍サントリーレディスオープン　事前情報◇8日◇六甲国際ゴルフ倶楽部（兵庫県）◇6527ヤード・パー72＞

今週の国内女子ツアーは今季15試合目の「宮里藍 サントリーレディスオープン」が行われる。上位2名と大会終了後の賞金ランキング上位3名には、8月の海外女子メジャー「AIG女子オープン」（全英）出場権が与えられる大会。ここにディフェンディングチャンピオンとして出場する青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が展望を語る。

■求められる総合力 コースの仕上がりもバツグン

“六甲攻略”のため大西氏が開口一番挙げたのが「ドライバーからパターまでの総合力が求められます」。もちろんここはプロトーナメントが行われている会場では試される部分ではあるが、特にこの兵庫県のコースは選手にそこを求めてくるという。では、どういった部分がそうさせるのか？

「まずティショットをラフに入れると、グリーンがアンジュレーションに富んでいることもあり難易度が増します。フェアウェイから攻めることを前提にしたコース作りです。グリーンスピードも出てきそうですし、グリーンも締まっています」

開幕前日に行われたプロアマでしっかりとコースを回った後の大西氏は、「きっちり仕上がっている」という印象をひしひしと感じ取ったという。そしてただ単にピンを攻めるだけでは、「コースがそっぽを向く」と表現。意識的に安全にいったり、ピンと同じ面に乗せるため時にカットボールを打つなど、選手の技術、そして判断が試されるということを特徴に挙げる。

■連覇狙える状態に自信あり！

こういったコンディションを踏まえ注目選手を聞いてみた。やはり連覇に向けての仕上がりも気になるので青木の名前を出すと、“手前みそで…”とでも言いたそうな笑みを浮かべたものの、その仕上がりに自信を示す。

「いい形でゴルフができているし、本人もしっかりと調整を積んできました。やはりイメージもいいみたいですし、相性のよさを感じているようです」。昨年、4打差を追ってスタートした最終日に「67」を出して鮮やかな逆転劇を演じたことは記憶に新しい。

さらにこんな“モチベーション”も。「憧れる宮里藍さんの名前がつく大会で勝ちたいとずっと言ってきて、そして去年勝つことができました。藍さんの背中を追う気持ちもプラスに働いています」。ここ6試合で4度のトップ10入りと、結果もついてきている。「優勝争いできる位置にいける状態」と“相棒”に期待を込めた。

■すごみを感じさせる36歳のプレー

そして言葉を弾ませて挙げた2人目の名前が藤田さいき。今季ここまでに2位が2度と好調だが、目にするプレーがその数字以上の“すごみ”を訴えかけてくるという。大西氏が「見ていて楽しい」と思わず目を奪われる選手だ。

「決して飛ばし屋が有利なコースではないのですが、藤田選手は曲がらない。球さばきもキレイですし、パター、アプローチもうまい。気持ちも乗っているように感じますし、優勝する姿をいつ見てもおかしくありません」

現在36歳ながらドライビングディスタンスが3位（250.29ヤード）というのも驚きだが、3パット率は1.8970％で1位、リカバリー率は66.3900％で18位など守備面も出色。その特長を色濃く発揮しての勝利、そんなイメージも湧いてくる。

■強行日程などどこ吹く風で活躍か？

最後に口にした名前が小祝さくら。2週前に優勝し、先週は米国で「全米女子オープン」に出場し日本勢最上位の20位タイに入った。日米を股にかける強硬日程をものともせず今週の4日間大会に挑むその鉄人ぶりは、驚かされるばかりだ。

「まず疲れを知らないこともすごいですが、小祝選手は海外で吸収したことをすぐに実践し、形にできる選手。爆発力も出てきていますし、取り組んできたことが徐々にコースでのプレーに反映されてきているように見えます」

このオフから挑んでいるフェードへの球筋変更も、自分のものにして2週前には今季初優勝という大きな結果も残した。その総合力の高さはもともとツアーでも屈指の存在だけに、“国内連勝”も十分にあると感じている。

解説・大西翔太（おおにし・しょうた）/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす！！ 飛距離アップの正解』が発売中。

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