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プロを目指す若きアマチュアへ 宮里藍が説いた大切なキーワードは?

<宮里藍サントリーレディスオープン 事前情報◇8日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6527ヤード・パー72>

宮里藍が大会アンバサダーを務める今大会は「〜神戸から世界へ〜次世代を担う幅広い選手に、世界へと羽ばたく成長の場を」というコンセプトのもと、アマチュアにも出場できるチャンスが多く与えられている。過去には畑岡奈紗や、西村優菜、安田祐香、古江彩佳など、いまではプロゴルファーとして活躍している選手らも多数出場していた。

今大会の出場アマチュアは9人。昨年の「アジアパシフィック女子アマチュア選手権」で優勝を遂げた橋本美月(東北福祉大2年)や、今年の「オーガスタナショナル女子アマチュア」で日本勢で唯一、決勝ラウンドに進出した吉田優利の妹・鈴(りん、日本ウェルネススポーツ大1年)、そしてJGAナショナルチーム経験者の六車日那乃など、注目選手がずらりと集まっている。

大会開幕前の水曜日には、アマチュア9人と宮里、そして宮里聖志との座談会が行われた。そこでは宮里家のジュニア時代、そしてアマチュア時代の体験談が語られ、そこに質問も飛び交った。その感想を吉田と六車に聞くと、共通して出てきたキーワードがある。

「自分を持つことが一番大事だと思いました」(吉田)

「自分を知ることが大事で、自分を理解した上で、自分のゴルフを極めていこうと感じました」(六車)

共通するのは“自分”。このことについて、宮里は「顔ぶれも違うので全員同じとは言えませんが、(今大会に出場するアマチュアは)プロを目指している人が多かったので」と前置きし、このように解説する。

「これからゆっくり確実に成長していってほしいですし、いまはいろんな選手が出てくるなかで、焦りもあると思うけど、しっかりと自分のゲームと向き合ってほしい」

アマチュアでの試合、そして今後も続くゴルファー人生へ、緊張や焦り、不安を感じることも多くあるが、周りと比較するのではなく、まず“自分”を見つめることが大事だと説く。そして自分を見つめることができ、さらに結果が出ている伸びしろの時期は「自分のゴルフができているうちは何も考えなくていいと思います。嫌でも考えないといけなくなるので(笑)」と、自身の経験を振り返りながら、若いアマチュアを後押しする持論を展開した。

これには橋本も深くうなずく。そして「不安が多すぎるとき、あるいは逆に余裕を持ちすぎているときはどうしたらいいか」という質問を投げかけた。すると宮里は「いい緊張感を保つことはできない。不安や緊張を持っているという“自分”を受け入れて、プレーすることが大切」と答えたという。昨年大会も出場して「ふがいない結果だった」と予選通過できなかったリベンジに向けて、新たに学びを得ることができた。

今大会の優勝者、そして2位の選手には8月「AIG女子オープン」(全英女子)の出場権が与えられるが、この切符はアマチュアでも手にすることができる。橋本はアジア女子アマ優勝によってすでに出場権を有しているが、ほかの8人にとっては千載一遇のチャンスでもある。「トップ10に入ることと、ベストアマを獲ることが目標」と吉田は話していたが、このことを聞くと「そしたら2位に入りたい(笑)」とさらに前向きな意欲も垣間見せた。プロだけでなく、アマチュア9人の奮闘にも注目したい。(文・笠井あかり)

<ゴルフ情報ALBA.Net>