<ほけんの窓口レディース 初日◇13日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6299ヤード・パー72>
“近づいている”と感じることができる初優勝。そこに向け、福岡県で仲宗根澄香が首位発進した。途中、40分間の中断を挟む雨のなかで積み重ねた6バーディ。それだけでなく、「調子自体はあまりよくないし、雨も降っていたのでセーフティに」という意識をもち、ボギーフリーであがれたことも手応えになる。
10番からスタートした初日は、前半から15番で6メートルを沈めると、16番で1.5メートル、17番で2メートルを決めて3連続バーディで勢いに乗った。「自分のなかでゴルフが上手になっているなと思える」と、今年1月に30歳になった仲宗根は充実の時を過ごしている。2週前の「パナソニックオープンレディース」では最終日最終組を経験。16位タイに終わったものの、そういう事実の1つひとつが自信に変わる。
最近気になっているのは“スイングテンポ”。「構えてからの時間が長くなっている。もっとシンプルに」。迷いを捨てて、“決めたら打つ”。これが今、目指しているプレーだ。
先週の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で、その思いを強くした。予選ラウンドの2日間、ツアー50勝の不動裕理と同組になったのだが、ゴルフを始めた時からの憧れの選手のプレーに感銘を受けた。なにも初めて一緒にプレーするわけではない。ただ今も「ギャラリーにならないようにと気をつけたんですけど吸い込まれました」というほど特別な存在だ。
もちろんそこには“プレーヤー目線”も入る。注目したのが、6年連続賞金女王にも輝いた不動のプレーテンポだった。「構えたら迷いなく、自分のペースでやる」。今の課題と重なる部分に、目を奪われた。小学校の卒業アルバムにも『不動さんみたいな選手になりたい』と書いていたが、プロになったいまでもよき手本なのは変わらない。
「女子プロゴルフのレベルがすごく上がっている。毎週課題をクリアしていくのに必死」と、優勝に向け足りないものを埋める毎日。「これまでは、気持ち的に一歩引いていた部分もあったけど、若い子も来てるのにひるんでいたら…。毎週勝つという気持ちでやっています」。30歳になったが、精神面でもまだまだ成長を続けていく。
「優勝までの距離は感覚的に近くなっていると思う。バーディパットを打てる回数も増えてますし。自分が優勝するイメージもはっきりと、鮮明になってきました」。プロテスト受験は5回。29歳で初シードを獲得した苦労人のモットーは「1日1ミリ成長すること」だったが、今は「3ミリでも4ミリでも。ペースを上げたいですね」と考えている。そして初めてのトロフィーを抱く自分を思い描きながら、コースにむかっていく。(文・間宮輝憲)
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