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再び握った“300万円パター”で首位発進  小祝さくらの「悩み」解消なるか?

<ほけんの窓口レディース 初日◇13日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6299ヤード・パー72>

今季の平均パット数はパーオンホールが40位(1.8346回)、1ラウンドあたりが66位(30.0968回)。ここまでグリーン上で苦しみ優勝に手が届いてなかった小祝さくらだが、雨が降る和白のグリーンを攻略し、トップの一人に名を連ねた。

この日マークした6つのバーディは、いずれも2〜7メートルを沈めて奪ったもの。入れごろ外しごろから、長いものまで決め切ったこの日について、本人も「珍しくパットが入ってくれて、それが一番スコアが出た理由」と振り返る。

ここまでの出場10試合でトップ10入りは3度。結果だけ見るとその安定感は変わらない。ただ「パターがぼちぼち入ればいいスコアが出るけど、入らないと耐えるゴルフということが多かった。今年はパターで悩まされていて。深く考えてもどんどん(気分が)落ちる気がしたので、気にしないように」と、思わず目を背けたくなるほどの“ウィークポイント”になっていた。

「どうにかしないと」と試行錯誤の日々。しかし、その取り組みがようやく実を結びつつある。元に戻したパターもその一つだ。今週使用したのは、角型マレットの地クラブ『ワールドクラフトデザイン ツアーオンリープロトタイプ』。小祝の地元・北海道北広島市にある『ワールド山内』が手がけるブランドで、昨年「NEC軽井沢72ゴルフ」、「CAT Ladies」と2週連続優勝を果たした時に握っていたもの。330万円という値段でも話題となった“小祝モデル”だ。

これに加えてパッティングコーチの橋本真和氏にアドバイスを求め、ストロークも修正。少しボールから遠くなっていた構え、長く持っていたグリップ、そして手が先行してフェースが遅れていたストロークを以前のフォームに戻した。「違和感はありますけど、入っているのでもう少し慣らして」。ここからさらに自分のものにしていく。

9番パー4のバーディは、上りのフック、7メートルを決めたもの。「すごくいいタッチで、イメージよく打てました」と、悩んできた日々を拭い去るような一打になった。この日のパット数は29。突出して高い数字とは言えないが、裏を返せば、これくらい入れば優勝争いに加われるほど、ショットは切れているという証しでもある。“300万円パター”が、残り2日間も最高の輝きを放てば、自ずと今季初優勝が近づいてくる。(文・間宮輝憲)

<ゴルフ情報ALBA.Net>