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「もう二つくらい伸ばせた」見えたぞ初V “緊張しぃ”の菅沼菜々がV戦線に名乗り

<ヤマハレディースオープン葛城 2日目◇1日◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6590ヤード・パー72>

初日に続いて、菅沼菜々がボギーフリーのラウンド。バーディを3つ積み重ね2日間トータル7アンダーで首位の西郷真央、ペ・ソンウ(韓国)と1打差の3位タイを堅守した。

「手前、手前からのマネジメントでうまくいきました。初日は引っかけ気味だったので修正したのですが、開き気味で苦戦することになってしまいました。もう二つくらいチャンスがあったので、もう少し伸ばせたかなと思います。アイアンショットをもう少し修正して明日に臨みます」と振り返った。

初日から言っていた「とりあえず奥には打たない。徹底して手前から攻める」作戦が、この日も結果につながった。そして決勝ラウンドは、優勝の二文字を意識せざるを得ない好位置でのプレーとなる。

「緊張しいなのでなるべくリーダーボードを見ないようにしていたんですが、やっぱり緊張してしまいました」と首位争いを演じる自分に少なからずプレッシャーは感じている。だが、このチャンスを逃すまいという強い気持ちがあることは、「ピンチというピンチは、はっきりとはありませんでした。オフに100ヤード以内の精度を上げる練習に励んだ成果が出たのだと思います」と、しっかり話す姿からもうかがえる。

オフの期間に100ヤード以内を5ヤード刻みで打ち込んだ。それもコース内を借りてやらせてもらったという。この日もPW以下の番手がバーディチャンスをつくった。2020-21年シーズンは優勝争いこそなかったが、トップ10入りが5回。安定した成績で賞金ランキング47位、メルセデス・ランキング45位に入り初のシード権獲得となった。

そして今シーズンは開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」は沖縄での開催だったためスキップしたが(パニック障害の一種である広場恐怖症のため、飛行機に乗ることができず沖縄や北海道の試合はいつも欠場を余儀なくされている)、「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」10位タイ、「アクサレディスゴルフトーナメント」5位タイと上位で活躍している。

ゴルフの名門・埼玉栄高出身で渡邉彩香らの後輩。18年のプロテスト合格で賞金女王・稲見萌寧と同期。飛行機に乗ることができないという広場恐怖症と向き合いながら、ツアーに参戦する頑張り屋。そろそろ菅沼が脚光を浴びるときが来ている。コースに挑むというより仲よくしているように見える堅実なゴルフが持ち味の菅沼だからこそ、難コース葛城ゴルフ倶楽部での優勝争いを最終日に演じる姿が目に浮かんでくる。(文・河合昌浩)

<ゴルフ情報ALBA.Net>