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“心のキャパオーバー”から解放 首位浮上の森田遥、コロナ禍の過ごし方で復活

<ダイキンオーキッドレディス 2日目◇5日◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄県)◇6561ヤード・パー72>

24歳の森田遥が、初日の「68」に続き、2日目も「66」をマークして、トータル10アンダーの首位タイに浮上した。

ジュニア時代から輝かしい戦績を挙げプロ転向。米下部ツアー参戦から国内ツアーには2016年から本格参戦。1年目から約4000万円を稼ぎ賞金シードを獲得すると、2年目となった17年の「北海道meijiカップ」でツアー初優勝。日本女子プロゴルフ協会の正会員となり、賞金ランキングは13位へと大躍進を遂げた。

18年も同25位に入りシードを守ったが、19年は同52位でシード陥落。最終戦の「大王製紙エリエールレディス」で優勝争いを演じ惜しくも渋野日向子に敗れて2位に入る粘りはみせたが、「運も実力のうち。それまでがダメだった」と振り返る。

それでも同51位から55位までは前半戦に出場可能とあって、統合となった20-21年シーズンではここまで13試合に出場しているが、予選落ちが10回と苦しいシーズンを送っている。

そんな中ではあるが、賞金ランキング80位で迎えた21年初戦は、これまでの不振を吹き飛ばすようなプレーを見せている。予選ラウンドの2日間で10アンダー。「オフは基礎練習をけっこうやった」と、初心に戻って過ごしたこの冬の成果が現れた。「アライメントの大切さとか。アドレスを決めたらあとは振るだけ」。吹っ切れた結果がこのスコアだ。

「悪いのが長く続くと、メンタル的に悪いショットのイメージが残ったりする」。苦しい時期が長く続いていたが、そんなときに思わぬかたちで到来したのがコロナ禍。そこで時間ができたことが森田を救った。「家でゆっくりしたり、ワンちゃんと一緒に遊んだり」。それまでゴルフ漬けだった生活から、「人生の一つとしてゴルフが見られた」と、ストレスが抜けていくのを感じた。

不振を極めていた時期は「キャパオーバーしていました、心が」と、今では冷静に当時を述懐する。この数年間の経験を経て、新たな年のはじめは、「きのう、きょうで自信がついた」と笑顔が戻ってきた。まだまだ“いい時”に戻る途中ではあるが、ツアー2勝目を狙える好位置で決勝ラウンドへ。戻ってきた自信を、残り2日間で確信に変える。

<ゴルフ情報ALBA.Net>