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安田祐香が踏み出すプロ、そして米国への第一歩 ルーキーイヤーは「1試合1試合を楽しみたい」【注目ルーキー・開幕前の声】

今年ルーキーイヤーを迎える選手で、ひと際注目を集めそうな一人が、“プラチナ世代”の安田祐香だ。昨年の春に高校を卒業したばかりの19歳は、アマチュア競技で2017年の「日本女子アマ」など数々のタイトルを獲得しただけではなく、プロトーナメントでも優勝争いを続け、その実力を証明してきた。早い段階での初優勝にも期待が集まるが、本人は謙虚に、そして着実にプロ生活を歩んでいくつもりだ。

初々しい?それとも大人っぽい?安田祐香のスーツ姿がこちら

今季の出場権をかけた昨年12月のQTファイナルステージ。安田はここで2位となり、難なく前半戦のフル出場権を手にした。「(QTが)始まった時からプレッシャーはありませんでした。最終日も貯金があったので、気持ち的には楽でした」と、いつもの涼し気な表情は健在だった。

プロ生活の準備期間ともいえる今年のオフは、「1年間のシーズンに耐えられる体をつくれるよう、トレーニングをしっかりしたい」と話していた通り、これまでの「2倍」の時間を費やし体幹などを鍛えあげた。

そのなかで特に重点的にトレーニングを積んだのが、もともと痛みを抱えている腰だった。昨年前半に発症した腰痛克服を目指し、専門家とともにジムなどで腰の周りを補強するための筋肉をつけることに意識を置いた。身長は163cmながら、体重は53kg。一見すると華奢(きゃしゃ)とも感じられた体を、これまでのバランスを崩さない範囲で鍛え、ルーキーイヤーに臨む。

年末年始は地元の兵庫県で練習を積み、2月には約1週間のタイ合宿も行った。「1日1ラウンドほど回りました。環境もすごくよくて、芝からアプローチの練習もできました。腰も張りは出たけれど、振れないとか、痛いとかはありませんでした」。昨年の冬はクラブをまともに振ることすらできなかったが、日々のトレーニングのかいもあって、今年は大きなトラブルもなくゴルフに集中することができたようだ。

並みいる先輩選手はもちろん、タレントぞろいの同世代とも、引き続きしのぎを削り合っていく。そのなかでも、地元(兵庫県)が同じで、高校の同級生でもある古江彩佳はやはり特別な存在だ。

昨年、アマチュアとしてツアー優勝を手にした古江については、「ナショナルチームでも一緒に試合をして、自分を強くしてくれたよきライバル。お互いを高め合うことができる、いい存在です」と語る。それでもプロゴルファーとしては、「自分は自分でコツコツ頑張っていけたら」と先を越されたことへの焦りはない。

今年の目標も「まず後半戦に出られるように。優勝もしたいけど、毎試合予選通過をして、よければ優勝争いという感じで戦うことができれば」。その言葉を聞く限り、不用な気負いは感じられない。

「どうなるかは分からないけれど、今まで通り戦えたらいいですね。不安もあるけれど、ワクワクのほうが強い。1試合1試合楽しみたいです」。プロとしてプレーすることが近づくにつれ、その気持ちは高まるばかり。新型コロナウイルスの影響で、“デビュー戦”は大きくずれこんでしまったが、シーズンを戦ううえでのキーワードは「楽しむ」だ。

「一番大事にしたいのは楽しむこと。毎試合目標をつくるとか、モチベーションになるものを見つけてプレーすれば自然と楽しめると思います。しっかりと安定したプレーができるようにしたいです」

オフにはNECとの所属契約締結を始め、住友ゴム工業との用品使用契約、スポンサー契約が次々結ばれるなど、その注目度の高さもうかがえた。「試合を振り返ってみたらパーオン率が高いと思いました」と話すショットが大きな武器。それを持って、安田祐香のゴルフをコースで貫いていく。将来の夢は「USLPGA(米国ツアー)」。新たに始まるプロ生活、そして米国につづく道の第一歩を踏み出していく。

<ゴルフ情報ALBA.Net>