このエントリーをはてなブックマークに追加

鈴木愛が望む五輪は団体戦 米合宿出発前に心境吐露「実力以上のパワーが出る」

約3週間の米国合宿に向けて、昨年の国内女子ツアー女王の鈴木愛が成田から飛び立った。用品の使用契約を結ぶPINGの本拠地、アリゾナ州フェニックスに向かうのはPING契約後の恒例行事。ここで開幕に向けて仕上げていく。

12月の上旬に終了した国内女子ツアー終了後は、仕事以外でクラブをほとんど握ってこなかった。その代わり、下半身強化を中心としたトレーニングを年末から開始。年明けも継続して続けており、「合宿中も2、3日に1回はやっていく」と、日米を往復する機会が増える今季に向けて、体力のベースも上げていく。

昨年までは、1月にプロ野球の千葉ロッテマリーンズの選手との合同自主トレが年明け恒例だったが、懇意にしている選手の引退などもあり、今年は専属トレーナーとともに汗を流している。東京五輪出場を目標の一つに掲げる鈴木にとって、基礎体力と持久力のアップは、長く厳しいシーズンを戦う上で必須。その上でアリゾナでは技術力のアップに取り組む。

最初の1週間はほぼ1人で行動。PING社所有のコンドミニアムに隣接するショートコースで汗を流す。「最初はパターをずっと練習すると思います。ピン型のパターの感覚を戻したい」。寛容性を求め、昨年8月らエースとして使ってきた大型マレット型からピン型への回帰を目指す。練習の虫として知られる鈴木だが、アリゾナでのスタートは、まずは大得意のパッティングの自信をさらに深めるところから始まりそうだ。

合宿はでは基本的に自炊。料理が得意という鈴木ならでは。2週目は以降は近隣コースでのラウンド練習や「スイングも見直したい」とショット面での課題にも取り組む。合間には「本当はやりたくない…」という近くの岩山登山トレーニングなどもいれつつバランスよく全体を仕上げ、2020年初戦としている国内開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」前々週に帰国。五輪イヤーに突入する。

その五輪に出場するためには、女子世界ランキングで15位以内に入り日本勢トップ4以内をキープ、もしくは16位以下でも、日本勢で2番手に入ることが必至。年も明け、明確に五輪出場が目標として浮かび上がっている中、現在の思いを告白した。

「出られたらですが、メダルを獲れるなら何色でもいいと思っています。金メダルと言っても獲れるものではありませんので」。まずは出場を確実にし、表彰台を目指す権利を獲得したい。さらに、「絶対に団体戦のほうが盛り上がると思います。国のために力を合わせて戦うと、実力以上のパワーが出る。団体戦がいいです」と、リオ五輪から続く個人ストローク戦の是非についても触れた。

国内では渋野日向子とともに、トップ2を形成。2度の賞金女王に加え、生涯獲得賞金でも6億8000万円以上を稼ぎ出し17位につける。誰もが認める国内女王が世界の舞台へ。今季は海外メジャー全試合出場も宣言。アリゾナから、忙しい1年をスタートさせる。

<ゴルフ情報ALBA.Net>