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メジャーは“ギリギリ”から「ワクワク」に 西村優菜が大舞台前に感じている1年前との違い

<シェブロン選手権 事前情報◇17日◇ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(テキサス州)◇6889ヤード・パー72>日没サスペンデッドの影響で、大会3日目の早朝に再開した第2ラウンドの16番パー4で劇的なイーグルを奪い予選を通過したのが1年前。このシーンは西村優菜にとって「覚えてます。印象的な試合だったし、『あ、ここだったな』なんて思いながらやってました」と今も鮮明だ。ギリギリの戦いのなか56位タイという結果を残したが、その時とは違う気持ちで今年は同じメジャー大会初戦を迎えられる。

現地で撮影! 西村優菜のドライバースイング【連続写真】

「フォード選手権」以来、3週ぶりの試合。この間は日本で「調子もそんなに悪くなかったのでいつも通り調整とショートゲームの練習を、という感じでやってきました」と時間を使った。ひさびさに会った愛犬の小麦ちゃんにも癒されながら、リフレッシュも完了。時差調整も兼ね先週の土曜日に現地に入り、練習のみを行った日曜日から準備を進めてきた。改修が行われたコースについては「グリーンの形がちょっと変わったのと、4番と8番のティボックスが変わったので、見える景色は少し違う」と細かい違いも感じるが、やはり一番警戒するのは「距離が長い」。昨年も大会最長の6824ヤードに手を焼いたが、今年はさらに65ヤード伸びた6889ヤードに設定されている。練習ラウンドではパー4の2打目で、5番や7番ウッドを持たされる場面も。本戦期間中は悪天候予報も出されており、水気を含んだフェアウェイではさらに長い3番ウッドでグリーンを狙う可能性もある。ただ、そこでは昨年の経験も生きてくる。「グリーンにアンジュレーションがあるなかでウッドを持たされるので、 その部分はすごく難しい。去年のデータも大事にしながらプレーできれば」。昨年はいっぱいいっぱいだった部分も、今年はしっかりと対策を練りながら歩みを進めることができる。シード選手として臨む米ツアー2年目。Qシリーズで出場権を獲得したものの、優先出場順位が今よりも低かった1年前は、「毎試合毎試合、出場資格やカットラインに追われてやっている状態」と浮かない表情も浮かべていた。だが今は明るい笑顔が印象的だ。「去年はギリギリでここに入って、 バタバタしながらこのメジャーを過ごしていました。今年はメジャーに合わせてスケジュールを組んで、照準を合わせることができている。それが余裕にもつながるし、去年とはすごく違うところ」。それは本人が一番感じる部分でもある。開幕前日は日頃から仲が良い古江彩佳との練習ラウンドを最終調整の場にした。今週は日本選手が西村含め10人も出場するが、「どこか安心感があるのが半分、負けないように頑張ろうみたいな気持ちが半分。どちらも自分にとってはいいこと。アメリカでみんなで競い合えているのはすごくうれしい」とモチベーションにもなっている。なにより、メジャーという舞台のとらえ方も1年間で大きく変わった。「去年は少しでもポイントを…という感じだったけど、今年はもっと上位を目指していく試合にしたいという気持ちがある。 いつもとは違う感覚で臨めているのもいいこと。しっかり上を見て頑張りたいです」。開幕前の心境は“ギリギリ”から「ワクワク」へ。この充実感を結果に反映させる。(文・間宮輝憲)

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